【クイーンS予想】最終コーナーで前にいないと厳しいが…

2021年07月31日(土) 19:00

毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。

 開催5週目に入った函館競馬の芝は今週からBコースに替わりました。内4m地点に内柵が設置され、先週までに傷んだ内寄りの傷みの大部分はカバーされた形。函館は先週に続き、今週も雨は記録されていない。開催中も雨の影響を受けなかったことで、例年以上に芝はいい状態を保っており、ダートはかなり乾燥した状態が続いている。

 31日午前8時20分測定のクッション値は「7.8」(やや軟らかめ)。野芝で施行されている新潟「9.1」(標準)と比べるとソフトな状態。ただ函館の開催前半(4日目の7月11日は6.9=やや軟らかめ)と比べると、晴天が続いている影響か。ソフトな芝には変わりないが、徐々に硬い方向にはシフトしている。時計の出方も速くなってきた印象。

 土曜は、芝競走は7鞍。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「2番手、1番手、4番手、4番手、1番手、2番手、4番手」。内の傷みが軽減されたことで差しが利いた前週辺りと比べると、先行勢の活躍が目立った。少なくとも、最終4コーナーで前にいないと厳しい。ただ、道中の展開次第では後方から追い上げも利いていた。

 日曜のクイーンSと同じ1800mで行われた6R・3歳未勝利戦は最初の1コーナーで最後方14番手にいた7番人気ロックユーが3コーナーでは7番手に進出し、4コーナー4番手から快勝。レース前半3F34秒7〜後半3F36秒9の前傾ラップ。これだけ前が飛ばせば、逃げたフレーズメーカー(11着)を含め、先行勢が総崩れしたのはやむを得まい。

 メイン11R・STV杯(芝2000m)は前半4F47秒1〜後半4F48秒3で多少速めの流れ。1着アラタが4コーナー4番手、2着ウィナーポイントが同6番手、3着の1番人気ルビーカサブランカは後方から徐々に進出して4コーナー7番手から伸びた。差し馬が壊滅という状況でもない。

 ちなみに勝ったアラタの勝ち時計1分59秒3は、今夏の函館記念(1分58秒7=勝ち馬トーセンスーリヤ)と比べても優秀。開催終盤で洋芝を使用している函館としては、時計は出ている状況といえそう。

 日曜は引き続き好天で良馬場濃厚。クイーンSは「1分46秒台」の速い決着になりそうだ。ローザノワール、サトノセシル、シャムロックヒルなど逃げ候補が人気薄だけに、内&前有利でも勝ち馬は1〜2列後ろから出ると見るのが妥当かもしれない。

 ただ、Bコース替わりの1週目。中団〜後方にいてはさすがに厳しい。これまでの脚質だと、差しタイプのマジックキャッスル、テルツェットあたりがどう動くのかは興味深い。

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小田哲也

スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。

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