2021年08月06日(金) 18:00
距離を短縮しつつ秘める能力を前面に出してきた4歳チュウワノキセキ(父キンシャサノキセキ)に期待したい。
種牡馬キンシャサノキセキ(豪州産。父フジキセキ)は、必ずしも自身に似た快速タイプを送るとは限らず、スプリングS1800mを制し、皐月賞2000mを3着のガロアクリーク。ダート2000mの佐賀記念を勝ったヒラボクラターシュ。ダート1600mのオアシスSを勝ったブルベアイリーデなど、さまざまなタイプを送っている。父フジキセキと同じような特徴を伝えるところがある。
チュウワノキセキは2歳秋、阪神芝2000mの新馬を武豊騎手で快勝している。輸入牝馬の母は独オークス2200mの勝ち馬。3代母マジョリタートも独オークス馬で、2010年の日本ダービー馬エイシンフラッシュの3代母にも登場するから、キンシャサノキセキ産駒でも距離はこなせるはず…の期待があった。
だが、そのあと1800m-2000mではどうしても勝ち切れず、2勝目は3歳春の距離を短縮した京都内回り1600m。松山騎手が乗り1分32秒2のコースレコードだった。
しかし、そのあと1600mに続けて出走すると再び勝ち切れず、さらに距離を短縮した今春の3勝目は中京1400m。1分20秒2の快時計だった。
父キンシャサノキセキも、最初のうちの好走は1600mが中心で、本物になって高松宮記念2連覇など重賞を7つも制したのは、すべて1200-1400mのスプリント戦だった。種牡馬としてさまざまなタイプを送る父の産駒の中で、かなり父キンシャサノキセキに似た特徴を持つのがチュウワノキセキだろう。快レコード勝ちした松山騎手とのコンビ成績は【1-2-2-2】。豊かなスピード能力を理解している。
好調教を示した3歳ヴィジュネルと、牝馬ムーンチャイム本線。毎回のように出遅れるが、前回は途中であきらめていたチェーンオブラブも1分20秒1があるから侮れない。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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