2021年08月07日(土) 12:00
暑い日が続くと秋を待ちわびる思いが強くなる。この「秋を待つ」は、競馬にもある。俳句の季語でもあるが、競馬でもこの季節を言い述べていると言っていいだろう。レパードSは数少ない3歳馬のダートの重賞だが、出走機会の少ないダート適性のある若馬にとっては、ここでどんなレースができるか、探りを入れる機会になっている。好結果を出して「秋を待つ」、そうありたいと願っていると言っていい。
第1回の優勝馬がトランセンド、第4回がホッコータルマエとダート界に君臨する強豪を輩出し、レースの名を高めたが、この4年は、続々と伏兵が勝ち続け、ひとすじ縄ではいかない難解な重賞となってきた。本命馬が全く駄目というのではないが、より各馬の可能性に重きを置く、そこに伏兵を見つけ出すヒントがあるように思う。さらに言えば、4年連続で3連単10万円超を生んでいるように、2、3着馬にまで視野を広げて地味過ぎて評価の上がらないものにも可能性を探ってみたい。とにかく、面白い重賞レースだ。
その最大のヒントとなるのが、ここまでにダートの1800米での勝利があるかどうかだ。昨年不良馬場を7番人気で逃げ切ったケンシンコウは、2戦目に中山で勝っていたし、2年前の白毛のハヤヤッコもダートに転じて4戦目、中山の1800米を勝っていた。
この年、11番人気で3着のトイガーは、京都で勝ち、さらに距離を延ばした東京の2100米でも勝っていたが、ジャパンダートダービーで大きく遅れをとり人気を下げていた。3年前、10番人気で2着のヒラボクラターシュも中山で、4年前のローズプリンスダムは11番人気で勝ち、2着は12番人気サルサディオーネが入ったが、どちらも京都や中京でダート1800米を勝っていた。とにかく、ダート1800米での勝利があるかどうかは、ひとつの大きなヒントと思いたい。
もう一点、このダート1800米はどの年も、前半から緩みないペースになっていて、タフで渋太いタイプが好成績を残しているということ。父馬をみると、パイロ、キングカメハメハ、ゼンノロブロイ、ヘニーヒューズ、ネオユニヴァースなどが目にとび込んでくる。この2つの要素を合わせて魅力ある馬を見つけたい。
まずは、メイショウムラクモを。古馬相手の前走、緩みないペースを2、3番手で追い7馬身と抜け出した勝利は見事だったキングカメハメハの血を引くホッコータルマエも、その産駒ホッコーハナミチで名を上げるチャンスが。平坦コースはプラスになる馬だ。可能性という点からは、ダート3戦3勝のルコルセール、前走初ダートでの勝ちっぷりのよかったノースザワールドに魅力がある。
「駆け抜けて 大器の予感 秋を待つ」
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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