2021年08月31日(火) 18:00
レイハリアを勝利に導いた亀田温心騎手 (撮影:高橋正和)
今年のキーンランドCは3番人気だったレイハリアが勝利しました。鞍上の亀田温心騎手について「特に短距離戦に強いという印象」と語った哲三氏、焦らず落ち着いたレース運びに注目しレースを解説します。
(構成=赤見千尋)
札幌競馬場で行われたキーンランドカップは3番人気だったレイハリアが勝利。葵ステークスで人馬ともに初重賞制覇を果たした後の休み明けで、人気にもなっていましたし、亀田(温心)君にとってはプレッシャーもあったのではないかと感じますが、落ち着いた騎乗でいいレース運びだったと思います。
小回りの札幌競馬場で、ハンデ51キロという中で、一番いいスタートを決めたことがまずファインプレー。狙って切ったということもあるでしょうし、この馬とコンビを組んで連勝していて、馬自身のことをよくわかっているんだなと。
そこからハナに行くかとも思いましたが、途中で掛かって来た馬がいて難しい展開になりました。経験の浅い若手ジョッキーならば焦ってしまう可能性もある場面でしたが、亀田君は落ち着いていましたね。レイハリアのリズムを崩さず走れていましたし、コーナーワークでも気を抜かせずに回れていました。
「馬自身のことをよくわかっている」と哲三氏 (撮影:高橋正和)
レース後のコメントでは「ガムシャラに何も考えず追っていました」と言っていましたが、外から見ている分にはそこまで焦らず、無我夢中という感じにも見えませんでした。以前にもこのコラムでお伝えしましたが、ジョッキー自身があまりに無我夢中になってしまい、それが外からも見えるのはいいことではない、という風に僕は思っていて。今回の亀田君は、そこまで無我夢中で乗っているようには見えませんでしたから、そういう焦りを見せない騎乗というのは大事だなと感じました。
亀田君は若手の中でも結果を出しているジョッキーですし、僕の中のイメージでは特に短距離戦に強いという印象があります。もちろん長距離がダメというわけではなくて、レイハリアというお手馬もいますし、短い距離でいい結果を出しているイメージが強いのかもしれません。上位人気で接戦をモノにしたというのは自信になるでしょうし、馬自身もさらに力を付けて重賞連勝していますから、この先もこのコンビでの活躍が楽しみです。
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佐藤哲三
1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。
プロフィール
亀田温心の全成績
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