2021年09月03日(金) 18:00
1997年に1800mになって以降、昨年のソダシ、ユーバーレーベンを筆頭に、出走馬からゴールドシップ、ロジユニヴァース、アドマイヤムーン、ジャングルポケット…など、のちのGI馬を十数頭も輩出してきた出世レース。今年は注目馬が多い。
ジオグリフは、祖母ナスカがディープインパクトの日本ダービーを2着したインティライミの4分の3同血の妹であると同時に、新種牡馬の父ドレフォン産駒。
ドレフォンはUSAのダート7F以下で全6勝(うちG1・3勝)した2016年の米チャンピオンスプリンター。快速の短距離型を送ると思われたが、JRAで勝ち上がった6頭の産駒のうち3頭が距離1800mの新馬を勝っている。少なくともスプリンターではない。
ドレフォンの父Gio Pontiジオポンティは、マイル以上の芝のG1を7勝し、うち4勝が10-11Fだった。ドレフォン産駒は、むしろその父ジオポンティの特徴をより強く出している可能性があり、期待を上回る成功も見えている。
ジオグリフは東京芝1800mの新馬をモタつきながら勝ったように映ったが、自身の上がりは33秒3。最終1Fを推定11秒0で差し切っている。ここで快走すると父ドレフォンの評価はさらに上がることになる。
リューベック(父ハービンジャー)は、17年の秋華賞、19年の英G1ナッソーSを制したディアドラの全弟にあたる。ハービンジャー産駒は、先週の新潟2歳S2着のアライバル(1番人気)が示したように早期に完成されるタイプではなく、新馬1着→重賞1着は2015年のドレッドノータスがいるくらいだが、洋芝は歓迎。快走するとき姉と互角以上の展望が広がる。
新馬を好時計で圧勝したトップキャストは、新潟2歳Sを勝ったセリフォスと同じダイワメジャー産駒。ましてこちらは牝馬。函館の新馬1800mを1分48秒5(2歳レコードと0秒2差)で押し切った軽快なスピード能力全開が望める。
福島の新馬1800m(稍重)を1分51秒9で勝ったオンリーオピニオン(父キズナ)の評価は低いが、最後に突き放す快勝だった。今週の追い切りは光り、伏兵に加えたい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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