2021年09月27日(月) 18:00
・9/26 神戸新聞杯(GII・中京・芝2200m)
後方追走のステラヴェローチェが直線で内から伸び、レッドジェネシスとの追い比べを1/2馬身制しました。昨年秋のサウジアラビアロイヤルC以来、2つめの重賞制覇です。前回も今回も馬場コンディションは不良。稀代の道悪巧者といえるでしょう。
父バゴは凱旋門賞など5つのG1を制した名馬。クロノジェネシス、ビッグウィーク、トロワボヌールなど多くの重賞勝ち馬を出しています。芝における馬場コンディション別連対率は、良=12.9%、稍重=14.9%、重=15.2%、不良=17.2%と、馬場が悪化するにしたがって数値が上昇しています。
父の代表産駒クロノジェネシスも渋った馬場は得意です。本馬は母の父がディープインパクトなので、乾いた馬場でも強く、良の朝日杯FS、日本ダービーで2着、3着、稍重の皐月賞で3着と好走しています。朝日杯FSを勝ったゴスホークケンは伯父にあたり、ハイトオブファッション≒バークリア3×4という3/4同血クロス(母が同じで父同士が親子)は鮮やかです。いずれバゴの後継種牡馬となってほしい好配合馬です。
・9/26 オールカマー(GII・中山・芝2200m) 好位を追走したウインマリリンが直線で馬群を割って抜け出しました。これで3つめの重賞制覇です。ラスト200mで前が詰まり、進路を立て直すロスがあったので、1.1/2馬身という着差以上に強い競馬でした。ウインマーレライ(ラジオNIKKEI賞)の半妹にあたり、マイネヒメル、イペルラーニオ、ウインヴォラーレなどきょうだいはコンスタントに走っています。
父スクリーンヒーローは現役時代にジャパンCを制し、種牡馬としてもモーリス(年度代表馬)、ゴールドアクター(有馬記念)、ジェネラーレウーノ(セントライト記念)などを出して成功しています。本馬は重賞初制覇が東京コースで、オークスでも2着と健闘していますが、スクリーンヒーロー産駒は東京芝よりも中山芝のほうが成績良好。日経賞や今回の勝ちっぷりを見ると中山適性の高さを感じさせます。有馬記念に出てくればおもしろいかもしれません。
・10/2 秋風S(3勝クラス・中山・芝1600m)
中山芝1600mと相性のいい種牡馬はリオンディーズ。連対率36.0%は、2011年以降、当コースで産駒が20走以上した99頭の種牡馬のなかで第1位という優秀な成績です。このレースには3歳牝馬アビッグチアが登録しています。前走の紫苑Sは相手が強く、なおかつ距離も長かったので12着と大敗しましたが、自己条件となる今回、好枠を引いてマイペースに持ち込めば一発が見込めます。
スプリンターズSはミスタープロスペクター系が強いレースです。中山競馬場で行われた直近10回の連対馬20頭のうち、同系に属する馬が過半数の11頭連対しています。わが国はサンデーサイレンス系が強く、ビッグレースも例外ではありません。しかし、スプリンターズSは当てはまりません。
登録馬のなかでこの系統に属するのは、カイザーメランジェ、ダイメイフジ、ダノンスマッシュ、ファストフォース、ボンボヤージ、モズスーパーフレア、ロードアクアの7頭(故障したヨカヨカを除く)。今年は昨年ほど時計を要する馬場ではなく、かといって高速馬場でもありません。週末に接近する台風がどの程度雨を降らせるのか、それが鍵となりそうです。
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栗山求
netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG
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