【サウジアラビアRC予想】底を見せていない馬の将来性を問われるレース

2021年10月08日(金) 18:00

今年は迫力とスケールより新馬戦で見せた鋭い末脚を上位に取った

 過去6回で出走馬の中から後の重賞級勝ち馬(海外を含む)が11頭もいて、うちGI馬が海外を含めて5頭もいる出世レース。グランアレグリア、ダノンプレミアム、サリオス…などが勝ち馬。ステップはさまざまだが、過去6年の連対馬12頭はみんな前走1着馬なので、底を見せていないグループの将来性(資質)を問われるレースといえる。

 今年も、今後の重賞路線で有力になるはずの期待馬が複数いる。今回の馬券を離れても的確な能力評価をしたい(もちろん評価の修正はずっと続く)。

 牡馬コマンドライン(父ディープインパクト)は、新馬勝ちのあと、2戦目の東スポ杯2歳Sを3冠馬コントレイルの2着した現4歳アルジャンナの全弟。

 6月の新馬は好位につけながら坂上まで反応が鈍かったが、エンジンがかかった最後は推定11秒3で差し切った。2着コンクパール、3着フェスティヴボスもすでに勝ち上がっている。母コンドコマンドは北米のダートG1勝ち馬。全兄のアルジャンナと同じようにやや勝ちみに遅い死角はありそうだが、再鍛錬しての変わり身は大きい。

 牝馬ステルナティーア(父ロードカナロア)は、新馬1着→オープン特別1着のあと、3戦目のこの重賞をダノンプレミアム(朝日杯FS勝ち馬)の2着した現6歳ステルヴィオの全妹。

 スローの新潟1600mだから過信禁物とはいえ、新馬は上がり32秒7(推定11秒0-10秒4-11秒3)の切れで中団から差し切って3馬身差圧勝。迫力とスケールは牡馬コマンドラインだが、鋭さ勝負の流れなら牝馬ステルナティーアの方が有利と思える。今回は、この牝馬から入りたい。

 同じく牝馬のスタニングローズ(父キングカメハメハ)は、新潟2歳Sを1分34秒3(上がり2位の32秒9)で0秒5差の5着した経験が強み。負けてはいるが、底を見せたわけではない。祖母ローズバドはオークス2着、秋華賞も2着。3代母ロゼカラーは秋華賞3着。勝ちみに遅い一族だが、GIでも崩れないしぶとさがファミリーの長所。

 追ってしぶといウナギノボリと、距離が延びた方がいいケッツァーがともに一変の好調教を示しているので、3連単の3着には入れたい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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