【府中牝馬S予想】勢いだけでは通用せぬ牝馬限定の別定GII

2021年10月15日(金) 18:00

馬券に絡んだ過半数がヴィクトリアマイルに出走したランキング上位馬

 多頭数の18頭立てになったのは2009年以来のこと。台頭して不思議ない伏兵が多く、難しい結果も予測される。

 大きく崩れる危険が少ないのは、昨年の秋華賞以降はすべて3着以内に好走している4歳マジックキャッスル(父ディープインパクト)。ただ、凡走がない代わりに通算【2-6-1-3】。ちょっと詰めが甘く、勝ち味に遅い死角はある。母ソーマジックがそんなタイプだった。

 牝馬は消長が激しいとされるが、別定GIIだけに、GI好走馬もいるここは目下の勢いだけでは苦しい。過去10年、馬券に絡んだ30頭中、過半数の17頭までが春5月のGIヴィクトリアマイルに出走していたランキング上位の馬だった。

 これに該当するのは、マジックキャッスルを筆頭に今年は6頭。2走前のGII阪神牝馬Sでマジックキャッスル相手に勝っている4歳馬デゼル(父ディープインパクト)から入りたい。前回のヴィクトリアマイルは、全体の流れが厳しすぎた。負担重量は近走にGII勝ちがあるので1キロ増の55キロだが、他馬と開きがあるわけではない。

 マジックキャッスルとは逆に、通算【4-0-1-3】。勝つか負けるかはっきり分かれるが、距離1800mは3戦【3-0-0-0】。前回のGIこそ流れが合わなかったが、決してズブいタイプではなく、上がり32秒5の差し切りが2回ある。

 東京の1800mに展開(ペース)はさして関係ないとされるが、時計の速い芝でまだ開催2週目。強力な逃げ=先行型は明らかに少ない。積極策に出そうな伏兵には注意したい。さまざまな距離に出走して戦法に定型はないが、自在のマルターズディオサは行くことができるので展開面の注目馬。

 連穴候補は多い。東京コース【2-2-1-0】のドナアトラエンテは人気だが、2走前の東京1800mの内容がいいアブレイズ、1800mなら先行策が取れそうなシゲルピンクダイヤは伏兵としてマークしたい。

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

関連情報

新着コラム

コラムを探す