2021年10月29日(金) 18:00
2歳の重要なレースが増えていくが、この東京1600mの2歳牝馬GIIIは創設されてまだ過去9回。歴史は浅いが、第一回2012年の出走馬にのちの桜花賞馬アユサンが含まれていたのを筆頭に、レッツゴードンキ、メジャーエンブレム、リスグラシュー、ラッキーライラック、昨年のソダシ、ユーバーレーベン。もう7頭もGI勝ち馬を輩出している。期待以上の未来へつながる出世レースに育ってきた。
フォラブリューテ(父エピファネイア)は、天皇賞(秋)に出走するエフフォーリア、2020年の3冠牝馬デアリングタクトと同じようにサンデーサイレンスの「4×3」。
スローとはいえ圧勝した新馬1600mの自身の上がりは「推定10秒8-10秒8-11秒4」=33秒0。新潟コースだけに過信はできないが、ゴール前はまだ余力があった。
母ブルーメンブラット(その父アドマイヤベガは日本ダービー馬)は、GIマイルCSの勝ち馬であり、世界を代表する名牝系出身。レース内容に注目したい。初戦434キロだったが馬体重以上にパンチを感じさせた。
ベルクレスタ以下、例年以上に素質馬は多いが、伏兵ミント(父エピファネイア)もパターン通りサンデーサイレンスの「4×3」。こちらは馬格にも恵まれている。
日本での牝祖は、「ダイナカール→エアグルーヴ→」一族と同じパロクサイドだが、枝は分かれて、リアルバースデー、トウカイポイントが近親馬。しぶとく成長するだろう。
重賞ではない阪神の「萩ステークス」はこの頭数だけに馬券は別にして注目したい距離1800mの一戦。日本ダービー馬となったエイシンフラッシュ、メイショウサムソン、ワンアンドオンリーが出走し、皐月賞馬サートゥルナーリアが勝ったレースでもある。
キラーアビリティ(父ディープインパクト)は2000mを1分59秒5でレコード勝ちしている。最後の1ハロン10秒8で7馬身差の独走だった。母の父Congareeコンガリーは、世界各地を移動した種牡馬アラジが送ったきわめて貴重なGI馬として知られる。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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