2021年11月19日(金) 18:00
坂がある長い直線の東京芝1800mを、若い時期に好内容で乗り切るなら、それはトップクラスの資質、スケールを示すことに通じるとされる。
日曜のGIマイルチャンピオンSの有力馬シュネルマイスター、サリオスは3歳時に古馬相手の「毎日王冠」を勝っている。ダノンキングリーも3歳で勝った。
この「東スポ杯2歳S」好走を足掛かりにして出世した馬には、近年では20年のダノンザキッド、タイトルホルダー、19年コントレイル、17年ワグネリアン、16年スワーヴリチャード…などがいる。
そこで、今年から昇格してGII。注目の出世レースらしく、次週27日に「京都2歳S2000m」があるのに、資質を確認したい関西馬が7頭も出走してきた。
注目の人気馬が多く、伏兵評価だが、西のテンダンスに期待したい。父ジャスタウェイはハーツクライ産駒とあって本格化は4歳後半からだったが、11年のこのレースを後の日本ダービー馬ディープブリランテの4着に善戦している。
5歳上の兄カデナは皐月賞まで【3-2-0-0】だった。長兄スズカコーズウェイ(種牡馬)も決して遅咲きではなかった。テンダンスも、現時点でその秘める能力発揮は可能と思える。
中京の新馬戦2000mは2分01秒9で小差2着だが、並んで先頭にいたグレートキャンベラが直線で内ラチに激突して落馬のアクシデント。隣にいたテンダンスにそのショックは少なからずあった。
2戦目の未勝利戦は、4回阪神で行われた2歳戦の1800mはオープンの「萩S」を含む8鞍。その最高タイム1分46秒9だった。前週の古馬3勝クラスが1分46秒1、翌週の古馬2勝クラスが1分46秒6だから、2歳戦とすればハイレベル。
直線、前の2頭に寄られたが、間をこじ開けて4馬身差の圧勝。上がり35秒0は最速だった。今度は強敵ばかりだが、あの勝負強い末脚は東京向きだろう。
今年の皐月賞5着馬ヨーホーレイクなどの下になるダンテスヴュー。7月のラジオNIKKEI賞馬ヴァイスメテオールの弟イクイノックス。昨年の朝日杯FS3着レッドベルオーブの下になるレッドベルアーム。快調教を見せたテラフォーミングなどライバルは多いが、ここで快走できれば、上のスズカコーズウェイ、2016年の京都2歳Sを快勝したカデナと互角以上の活躍が可能になる。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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