2021年11月20日(土) 12:00
この時期だからこそ見えてくるものがある。
そのひとつが3歳馬の活躍だ。古馬混合の重賞を勝つものが増え、もしかしたら今週もと思えてしまう。
アイビスサマーダッシュのオールアットワンスから先週までで8頭もが古馬の壁を打ち破ってきた。
その中には、札幌記念のソダシ、北九州記念のヨカヨカなど話題を集めたものもいた。
そして最も大きなものは、スプリンターズSのピクシーナイトと秋の天皇賞のエフフォーリアの勝利。秋のGIシリーズ開幕の中山で世代交代を高らかに宣言したピクシーナイトは想像を超えた走りだったし、春まで3戦全勝で皐月賞を勝ち、ダービーはハナ差の2着だったエフフォーリアの秋の天皇賞3歳馬19年ぶりの勝利は、はっきりこの年代のレベルの高さを示していた。
これら3歳馬の存在は、今後の競馬を興味あるものにしてくれるのだが、今週のマイルチャンピオンシップでも3歳馬は目立っている。
こうした古馬を破る3歳馬の相次ぐ成果を見るにつけ、その理由を探ってみたくなるのだが、これは今年に限ったことではない。ひと昔前ならば秋に入ってからデビューする2歳馬から翌年春のクラシックをめざす有力馬が出るのが普通だったが、今はもっと早くなっている。
育成技術が進歩し、効率よく鍛えられてきているので、3歳秋には十分に古馬と戦えるようになっていること、それと適性を考え出走するレースを決めていることなど、今では当たり前となっている。
今年の例を見ても、春のクラシックであれだけ活躍できたエフフォーリアが、菊花賞でなく秋の天皇賞に向って成果を上げていたし、10月に毎日王冠で古馬を破ったシュネルマイスターは、春はNHKマイルCを勝って3歳マイル王になっていて、この秋は、マイルチャンピオンシップで春秋マイルGI連覇を狙ってきた。
こうしたレース選択を結果につなげることで、この流れはどんどん加速していくことになり、3歳世代の躍進は増え、それだけ競争は激しくなっていくことになる。
今週のマイルチャンピオンシップは、それまでのマイル戦の成績のいいものが勝っているが、当然と言えば当然のことだ。
連覇をめざすグランアレグリアはここまで14戦8勝だが、マイルはそのうち9戦6勝の好成績をマークしている。連覇を記録した馬はこれまで5頭いるが、6頭目をめざすこちらは初めての牝馬だ。来年2月で引退する藤沢和雄調教師に、またひとつ勲章が加えられるか。
強い3歳世代からはシュネルマイスターを。今年GI3勝の横山武史騎手は、思い切りのいい騎乗が期待できる。
そして、このレース歴代最多の4勝をしている代打の神様池添騎手の乗るグレナディアガーズ。
アメリカBCで大金星を挙げた川田騎手のダノンザキッド。
そして、今の阪神の馬場に合うパワー型で奥手の血統の4歳馬サリオスを加えておきたい。
「行く秋に マイル制圧 花咲かす」
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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