【ジャパンC】「絶対に負けられない」一戦を制し使命を果たしたコントレイル

2021年11月29日(月) 18:00

福永騎手の涙は彼の感激だけでなく…

重賞レース回顧

ジャパンCで有終の美を飾った無敗の三冠馬コントレイル(C)netkeiba.com、撮影:下野雄規

 無敗の3冠馬に輝いたあと連敗し、必勝態勢だった前走の天皇賞(秋)で3連敗となったコントレイル(父ディープインパクト)は、種牡馬入りを前に、絶対に負けられない一戦だった。456キロの馬体は、2歳の秋と同じ。細く映るくらい研ぎ澄まされた究極の最少馬体重タイだった。

 今回を含めまだ11戦の戦歴。デビュー前から順調に成長した丈夫な馬ではなく、2歳時の3戦はともかく、3冠を達成した3歳時は5戦、早々と引退を決定した4歳の今年はわずか3戦だけ。狙いのレース以外は出走しない(無理はできない)馬だった。

 男泣きした福永祐一騎手が「本当は3000mの菊花賞を走れる馬じゃない」。だから、「無敗の3冠は本当にすごいんです」と振り返ったように、本当は1600〜2000m級がベストの、典型的な中距離のスピードタイプが本質だろう。

 父ディープインパクトや、祖父サンデーサイレンス、さらには母の父Unbridled's Songアンブライドルズソングと同じように、こなせる距離の幅の広いさまざまな産駒を送り出すこと必至だが、本当は「もっとすごいスピードを秘めている」という福永騎手の証言は、コントレイルの種牡馬としての確実な成功を約束させる言葉だった。

 コントレイルは、矢作調教師も認めるように、さまざまな不安を抱えつつ・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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