2021年12月23日(木) 18:00
今年、グランアレグリア、コントレイル、ラヴズオンリーユーがそれぞれ有終の美を飾り、ターフを去った。有馬記念でもクロノジェネシスとキセキがラストラン。競馬界は一時代のピリオドが打たれようとしている。
名馬のラストラン…挑む側のお気持ちは?2013年・有馬記念(GI)。オルフェーヴルとのラストランを池添謙一騎手に振り返っていただいた。
『引退式もあると聞いていたので、絶対に負けられない闘いになるな、と感じていました』
スタートしてすぐに迎える大歓声を全身に受けながら、折り合いもクリア。勝負所、我々が“マクっていった”と感じたシーンは…
『上げていっているという感覚はなくて、オルフェーヴルにとっては自然体でした』
2013年有馬記念(GI) 2周目4コーナー(写真提供:JRA)
2013年有馬記念(GI) ゴール前(写真提供:JRA)
そして直線、『何も聞こえなくなりました。スタンドの声が直線だけは無音になって…最後の直線はオルフェーヴルと自分だけの世界でした』
ターフビジョンを確認する。大丈夫。ただ“油断ならない”パートナー、最後まで気は抜けなかった。終わってみれば8馬身差の圧勝劇。
『ゴールを過ぎた後にブワッと歓声が聞こえてきました。緊張感もマックスでしたし、とにかくホッとしましたね』
ゴールした後も早めのブレーキ。これも彼との接し方。あの日、あの瞬間、池添騎手を包んだのはラストランのプレッシャー、ファンの想い…あらゆるモノを託され、完結した先の“安堵感”だった。
2013年有馬記念(GI) ゴール後(写真提供:JRA)
さあ、今年も有馬記念(GI)がやってくる。有馬記念(GI)を4勝している池添騎手は今年、モズベッロで参戦予定だ。
『1頭1頭がドラマを持った馬達です。好きな馬もそうですが、好きな騎手も全力で応援していただいて、有馬記念の独特の雰囲気を楽しんでもらいたいと思います』
あなたの夢はどの馬か、どの人か。
筆者プロフィール:小堺翔太 タイムリーオフィス所属。タレント、フリーアナウンサー。中央競馬全レース中継キャスターをはじめ、中央・地方問わずグリーンチャンネルの競馬番組に多数出演。
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