【有馬記念】勝利のカギは自身のリズムを崩さない折り合いとスパートのタイミング

2021年12月27日(月) 18:00

父や祖父と同じ成長曲線を辿る可能性がきわめて高い

重賞レース回顧

2022年はさらに強いチャンピオンになるであろうエフフォーリア(C)netkeiba.com、撮影:下野雄規

 天皇賞(秋)で、コントレイル(GI通算5勝)、グランアレグリア(GI通算6勝)を下した3歳牡馬エフフォーリア(父エピファネイア)の実力は、まさに本物だった。

 予測されたようにレースの流れは厳しく、「前半1200m1分12秒0-(6秒3)-後半1200m1分13秒7」=2分32秒0の決着。この時計は速い。カギはエフフォーリア自身のリズムを崩さない折り合いと、スパートのタイミングだったが、初めて中団より後方に位置した横山武史騎手は自信にあふれていた。完ぺきに近いレースでゴール前突き放している。

 天皇賞(秋)のようなハデなガッツポーズを見せなかった横山武史騎手は、スタンド前に引き揚げてきてもカメラに向かって手を挙げることもなく、ヘルメットを脱ぐとファンに向かって頭を下げた。前日の油断騎乗で騎乗停止を受けたことに対する謝罪だった。謝罪から入ったインタビューの姿勢も師匠の鈴木伸尋調教師の教えそのものだった。

 レース前、鹿戸調教師の「信じて乗ってこい」の信頼の言葉が、一段と気を引き締め、闘志をかき立てたのだった。

 父エピファネイアは、4歳になってジャパンCを圧勝している。その父シンボリクリスエスは3歳時にエフフォーリアと同じように天皇賞(秋)と有馬記念を制したあと・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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