【フェアリーS予想】このレースをステップに桜花賞馬が出現する時代も遠くない

2022年01月09日(日) 18:00

波乱傾向が続くだけに伏兵をピックアップ

 中山の「フェアリーS」が現在の1月の1600mになったのは2009年から。次の3頭の勝ち馬がこのレースを成長の過程にして、4月の桜花賞でも好走している。

2009年 ジェルミナル
2020年 スマイルカナ
2021年 ファインルージュ

 残念ながら本番ではみんな3着にとどまっているが、ここ2年は連続して好走。大レースに向かうスケジュールも、ステップレースの重要度も変化している。

 たとえば、秋華賞のステップ紫苑Sは、近年激変して本番と結び付き始めた。日曜のシンザン記念も桜花賞と強く連動するレースになった。

 GIで関東馬巻き返しの傾向もあり、9日のシンザン記念と同じように、フェアリーS組から桜花賞馬が出現する時代が来ないとはいえない。

 このフェアリーSで人気の中心だった「1-2番人気」の20頭は最近10年間【2-1-1-16】の大不振。3連単の配当は、最低466倍から最高は5156倍。ずっと難しい波乱ばかりが連続している。伏兵馬をピックアップしたい。

 脚部の故障で、残念ながら昨年引退したブラックホール(父ゴールドシップ)の妹になるライラック(父オルフェーヴル)に注目。8分の7同血なので全妹にも近い。2戦目で阪神に遠征した前回は「初遠征の影響で、馬運車やゲート入りを嫌がるなど、すでにレース前に大きく消耗していた」とされる。それでも4コーナーすぎまで見せ場は作っている。

 オルフェーヴル(その父ステイゴールド)産駒の最大の特徴は、世界のマルシュロレーヌや、皐月賞馬エポカドーロが示した意外性に富んだ底力。ライラックの祖母ブルーリッジリバーは、現在と距離は異なるが2001年のフェアリーS2着馬。人気薄の桜花賞も2着に突っ込んでいる。

 今度は地元での一戦。兄と同様に小柄だが、年末に入念に乗り込んだあと、年が明けても余力ある軽快な動きをみせている。本質がタフなのだろう。巻き返しに期待したい。ここで結果が出せるなら、すでに関西遠征を経験した強みが生きてくる。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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