2022年01月09日(日) 19:00
毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
日曜9日の中山の芝コースは午後1時27分に稍重から良馬場に回復した。正面直線の内側に多少傷みが出てきたが、全体的には良好なコンディション。日曜午前7時にJRAが測定したクッション値は「9.8」(標準)となっている。
土曜、日曜を通して、全体的には先行勢の活躍が目立った。土曜は、芝競走は4鞍(障害レースは除く)で勝ち馬の最終4コーナーの位置は「3番手、2番手、10番手、3番手」。メイン11R・ニューイヤーS(芝1600m)はカラテが最終4コーナー10番手から一気差しを決めたが、このレースにしても逃げたボンセルヴィーソが3着、2番手追走グランデマーレが2着に残っている。レース前半3F35秒1〜同後半3F35秒4の平均ペースだった。
日曜は、芝競走は5鞍。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「3番手、2番手、1番手、3番手、2番手」。古馬3勝クラスの10R・若潮S(芝1600m)を勝った1番人気エイシンチラーのミルコ・デムーロ騎手の「進路取り」は今の中山にマッチした戦略に見えた。最内1番枠を生かして好位3番手のインを追走し、直線も内から伸びて勝った。レース前半3F35秒0〜同後半3F35秒3のほぼ平均ペース。極端な乱ペースにでもならない限り、直線で中〜外を通って差し切るのは至難に映る。ちなみにこのレースの勝ち時計1分34秒2は古馬3勝クラスとしては平均的。12R・4歳上2勝クラス(芝1600m)は2番手を追走した3番人気ヒメノカリスが早め先頭で5馬身差楽勝。1分33秒3の好時計で勝っている。
フェアリーSは逃げて勝っている馬は何頭かいるが、キャリアの浅い3歳戦だけに競ってまで位置を取りに行くケースは考えにくい。ほぼ平均ペース。場合によってはスローに近い流れになる可能性もある。好位からしぶとく脚を使える馬が優位になりそう。
ちなみにフェアリーS優勝馬の過去10年の馬番は「8番、8番、7番、4番、6番、15番、14番、1番、1番、9番」。外枠不利といわれる中山芝1600mで、2桁馬から優勝したのは2頭だけ。15番ライジングリーズン(10番人気)が優勝した2017年はレース前半3F34秒7〜同後半3F36秒7の乱ペースだった。今年は人気馬が「1桁馬番」に集まっていることもあり、枠順的には平穏に収まるかもしれない。
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小田哲也
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。
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