【師匠・曾和先生登場!】第1回「15歳での弟子入り…“中学を卒業してすぐやし、つらかったやろうな”」

2022年01月11日(火) 18:01

2022年の『太論』は、スペシャル対談からスタート! ゲストにお迎えしたのは、園田時代の師匠、曾和直榮元調教師です。小牧騎手が曾和厩舎の門を叩いたのは、中学卒業直後の15歳の頃。以来、40年の付き合いとあって、“ジョッキー・小牧太”を誰よりも知る人物であることは疑いようもありません。

今回は、満を持して実現した師弟対談。おふたりの出会いから二人三脚での戦った日々、中央への挑戦と移籍、そして現在に至るまでの戦いをじっくりと語り合う時間となりました。

第一回は出会いまで遡り、曾和師はなぜ、十分に痩せていた15歳の小牧少年に厳しい食事制限を強いたのか、その深い理由と当時の思いを明かしてくれました。(取材・構成=不破由妃子)

曾和先生の前では、いまだに緊張して喋れない…

太論

▲小牧さんを誰よりも知る曾和直榮先生(C)netkeiba.com

──今月の『太論』は、小牧さんを誰よりも知る曾和直榮先生をお招きしての新春スペシャル対談です。曾和先生、小牧さん、よろしくお願いします。

曾和小牧 よろしくお願いします。

──今回、対談企画を検討する過程で、小牧さんのほうから「曾和先生がいい」とご指名がありました。それはどういった思いからですか?

小牧 先生もまだまだお元気やし、僕は僕で54歳になって。これまで先生の前ではどうしても緊張してしまって、よう話せへんかったけど、今なら話せるんちゃうかなと思ったんです。

──とはいえ小牧さん、今日もめっちゃ緊張してますよね(笑)。

小牧 はい…。やっぱ喋れんかも(苦笑)。

太論

▲「やっぱ喋れんかも(苦笑)」(C)netkeiba.com

曾和 太はいつもこんな感じや。

──そうなんですね(笑)。ではでは、対談を通して、そんな小牧さんの緊張感もお伝えできればと思っています。まずは、おふたりの出会いから教えてください。

曾和 当時、僕の厩舎には所属の騎手がいてなくて、馬を育てるためにはちょっと都合が悪いなということで、九州で育成牧場をやっている笹山さんという方に「小さい男の子はいませんか?」と探してもらっていたんです。そうしたら、肥料に馬糞をもらいにきている方の知り合いに小さい子がいると。「会いにくる?」と聞かれたので、すぐに行きました。

──それが15歳の小牧さんだったわけですね。第一印象は?

曾和 小さいなと(笑)。35キロやったからね。

太論

▲15歳の小牧さんの第一印象は「小さいなと(笑)」(C)netkeiba.com

小牧 小さかったですよねぇ。僕は馬にも乗ったことがなかったし、騎手のキの字も知らなかったんですけど、間に入ってくださった方がたまたま園田と縁があって、それで紹介してもらって。

曾和 うちにきてからは、チョコレートとか一切食うな言うてね。35キロしかなかったので、ビックリしたんちゃう?

小牧 なんで食べたらアカンのやろ…って思ってましたね。まぁこっそり食べてましたけど(笑)。

曾和 ある日、絶対に見つからんようなところに隠してあったチョコレートの箱を開けてみたら、見事に空っぽやった(笑)。「こんなん探す時間があるなら、もっと馬乗りのことを勉強せい!」って怒ってな。・・・

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小牧太

1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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