KYダービー第2回前売りは無敗の連勝馬スマイルハッピーに注目集まる

2022年01月26日(水) 12:00

BCジュヴェナイル勝ち馬コーニッシュは出走資格がない、と対象外に

 5月7日(土曜日)にチャーチルダウンズ競馬場で行われる第148回ケンタッキーダービー(d10F)へ向けた、フューチャー・ウェイジャーのプール2が、1月21日から23日にかけて発売され、「その他の馬」がオッズ2.9倍で1番人気、個別の馬ではスマイルハッピー(牡3、父ランハッピー)がオッズ9倍で1番人気となった。

 フューチャー・ウェイジャーとは、主催者が現時点におけるケンタッキーダービーの有力馬と目される23頭を抽出。その他の馬を24番枠にフィールドして24頭立ての競馬と想定し、期間限定でパリミューチュアル方式の馬券発売を行うものだ。

 ラッキーセブンステーブルが所有し、ケン・マクピーク調教師が管理するのが、スマイルハッピーだ。

 G1BCスプリント(d6F)勝ち馬ランハッピーの2世代目の産駒の1頭で、ファシグティプトン9月セレクト1歳市場にて18万5千ドル(当時のレートで約1979万円)で購買されている。10月29日にキーンランドのメイドン(d8.5F)でデビューし、ここを5.1/2馬身差で制し初戦勝ち。続いて11月27日にチャーチルダウンズで行われたG2ケンタッキージョッキークラブS(d8.5F)に駒を進め、ここも3.1/4馬身差で制し、無敗の連勝で重賞初制覇を果たしている。

 2戦とも、レース前半は馬群中団で折り合い、3コーナー過ぎから仕掛けて、しっかりとした末脚を使うという、安定した競馬を見せている。本番の舞台となるチャーチルダウンズを経験済みというのも強みだ。今季の始動戦は、2月5日にガルフストリームパークで行われるG3ホーリーブルS(d8.5F)か、2月19日にフェアグラウンズで行われるG2リズンスターS(d9F)の、いずれかになる予定だ。

 続いて、オッズ11. 4倍で個別の馬では2番人気に支持されたのが、スマイルハッピーと同厩のティズザボム(牡3、父ヒットイットアボム)だ。

 G1BCジュヴェナイルターフ(芝8F)勝ち馬ヒットイットアボムの2世代めの産駒で、こちらもスマイルハッピーと同じファシグティプトン9月セレクト1歳市場に上場され、馬主フェニックス・サラブレッド社の代理人にであるケン・マクピーク師に33万ドル(当時のレートで約3538万円)で購買されている。7月2日にエリスパークで行われたメイドン(d8F)を制しデビュー2戦目で初勝利をあげると、その後は血統的背景を考慮したか芝路線に転じ、ケンタッキーダウンズのジュヴェナイルマイル(芝8F)、キーンランドのG2バーボンS(芝8.5F)を連勝。続いてG1BCジュヴェナイルターフ(芝8F)に挑み、欧州からの遠征馬モダンゲームスの2着となって、2歳シーズンを終えている。

 主催者発表のモーニングラインは21倍だったから、そこからの3日間で一気に買い進まれたわけだ。今季はダート路線に回帰する予定で、始動戦は2月5日にガルフストリームパークで行われるG3ホーリーブルSが予定されている。

 続いてオッズ15倍で、個別の馬では3番人気に推されたのが、G1シャンパンS(d8F)を含めて2戦2勝の成績を残しているジャッククリストファー(牡3、父マニングス)だが、同馬は、G1BCジュヴェナイル(d8.5F)を左前管骨瘤で取り消した後、軽度の骨折が判明。ケンタッキーダービーには間に合わない可能性もあると、同馬を管理するチャド・ブラウン調教師はコメントしている。

 なお、ケンタッキーダービー前売り上位人気馬の中に、G1BCジュヴェナイル(d8.5F)勝ち馬で、2月10日に発表されるエクリプス賞で最優秀2歳牡馬に選出されること間違いなしと言われるコーニッシュ(牡3、父クオリティロード)の名前がない。昨年のケンタッキーダービーで、ボブ・バファート師が管理する1着入線馬メディナスピリットの検体から禁止薬物のベタメタゾンを検出。バファート師に対し向こう2年間の出走停止処分を課したチャーチルダウンズは、バファート厩舎に所属するコーニッシュにはケンタッキーダービーの出走資格がないとして、前売りの対象から外しているのである。チャーチルダウンズは同時に、コーニッシュがアメリカンフェイローS(10点)とBCジュヴェナイル(20点)で得たダービーポイントも、「無効」としている。

 フューチャー・ウェイジャーのプール3は、2月11日から13日まで発売される予定だ。

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合田直弘

1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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