【白富士S予想】ここを突破できれば芝中距離路線で中心となれる好素材

2022年01月28日(金) 18:00

モーリス産駒でも血統背景からは「中〜長距離」に適性あり

 日曜の重賞「根岸S」「シルクロードS」には、獲得賞金が関係し4歳馬の出走は例年通りごく限られる。一方、ここは重賞ではなく、出走希望馬も重賞よりは少ない。条件戦を突破したばかりの4歳馬も出走しやすい。

 4歳牡馬ジャックドールはモーリスの初年度駒。ここまで7戦【4-2-0-1】の上がり馬として未来を展望したい。種牡馬モーリス(父スクリーンヒーロー)は競走馬時にマイルのGIを4勝し、2015年の最優秀短距離馬。さらに、2020年の新種牡馬ランキングはドゥラメンテと大接戦の2位だった。       

 ここまでの代表産駒はピクシーナイト(スプリンターズS)、シゲルピンクルビー(フィリーズレビュー)、ルークズネスト(ファルコンS)など、どちらかというと短距離型が多い。

 だが、モーリスは2000mの天皇賞(秋)と、香港C2000mの勝ち馬。最初のうちは行きたがる気性が影響してマイル戦までだったが、最後は2000mをこなした。父はジャパンC勝ち馬。母の父は凱旋門賞馬カーネギー。祖母は2000m以上の重賞4勝メジロモントレー。体型はともかく、血統背景は中〜長距離型に近い。

 シャトル種牡馬としてオーストラリアに渡って送った産駒Hitotsuは、VRCヴィクトリアダービー(G1・2500m)を勝っている。

 母ラヴァリーノの父Unbridled's Songアンブライドルズソングは、無敗の3冠馬コントレイル、ジャパンCのスワーヴリチャード、菊花賞馬トーホウジャッカルなどの母の父であり、距離を問わない万能型の血を伝える。

 また、ファミリーには勢いがあり、祖母の半妹はNote Musicale。その産駒Music NoteミュージックノートはG1を5勝しただけでなく、昨年のドバイWCを制したMystic Guideミスティックガイド(2着は日本のチュウワウィザード)の母となっている。

 格上がりで初オープンのジャックドールに立ち塞がるカベは厚い。同じ4歳馬アドマイヤハダル、ディープモンスター、グラティアスなど強敵が揃っているが、ここで勝ち負けできると、芝の中距離路線で大きな展望が広がる。幸い、内枠4番。同型馬はいるがコンビで【3-1-0-0】の藤岡佑介騎手が主導権を主張すれば、マイペースもありえる。前走は東京2000mを「59秒9-58秒5」=1分58秒4の圧勝だった。

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

関連情報

新着コラム

コラムを探す