【根岸S】自己最高の馬体から繰り出すパワーあふれるフットワーク

2022年01月31日(月) 18:00

脚質に幅を増した現在なら、1600mをこなして不思議ない

重賞レース回顧

根岸Sで勝利したテイエムサウスダン(C)netkeiba.com、撮影:下野雄規

 逃げ宣言のリアンヴェリテ(父ゴールドアリュール)はいたが、果敢に飛ばしたのは伏兵ジャスティン(父オルフェーヴル)。「前半34秒4-46秒2-(1000m通過58秒2→)」のハイペースとなった。これはサウスヴィグラスが勝った2002年の「34秒4-46秒2-(1000m通過58秒1→)」と前半4ハロンはまったく同じ。この時期の東京ダート1400mで行われた根岸S史上2位タイの厳しい流れだった。

 勝ったのは、タフな種牡馬サウスヴィグラス(父エンドスウィープ)産駒の5歳テイエムサウスダン。厳しい流れをいつものように先行せず、中団でうまく折り合い、自己最高の554キロの馬体から繰り出すパワーあふれるフットワークで抜け出した。

 この根岸Sを2勝(2002、2003年は1200m)した父サウスヴィグラスは、ここまでダート中心の公営の種牡馬ランキングトップになること8回(2012、2015-2021年)。きわめてタフな名種牡馬で、全国で記録した勝利数は日本の競馬史上空前の5019勝(1月30日終了現在)に達している。

 テイエムサウスダンの勝利は父と同じように交流レースのものが多く、1分22秒台になっては難しいかと思えたが、乾燥したダートで勝ち時計は1分23秒1(自身の最高時計とほぼ同じ)。全体にタイムがかかってタフなレースになったのが有利だった。また、・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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