2022年02月05日(土) 12:00
新しい年もひと月経ち、思いを新たにすることがある。
これまで11の重賞が行われ、一番人気馬がひとつも勝てていないことで、上位人気馬で勝利したのは、シルクロードSの2番人気メイケイエール、日経新春杯のヨーホーレイク、AJC杯のキングオブコージの3番人気馬ぐらい。
偶然と言えばそうなのだが、もっと考えれば、年が明けたばかりの今の事情が見えてくる。どの馬もこの先を見すえてレースに出ていて、それぞれが課題をかかえていることが多い。
それまでの実績のあるもの、ないもの様々でも古馬なら余計にその傾向は強い。見るものがどう予測するか、そこにあるのは希望的観測だろう。また、若い馬なら、わずかな期間の努力で急速に成長を遂げるので、それも確実に予知できるとは言いにくい。いつの場合も少なからずそうなっているのが競馬でも、前哨戦の段階ではその判断はむずかしい。そこにあるのは、願望かもしれない。
今週の重賞、東京新聞杯もきさらぎ賞も、その例にもれることはない。
東京新聞杯は、古馬マイル戦線を占う意味もあり、春に向けていい走りをと願っているものが多い。牝馬なら見えているのが、ヴィクトリアMだ。
4歳馬ファインルージュは、昨年の三冠レースで3、11、2着。フェアリーS、紫苑Sで圧勝した実力馬で、新しいチャレンジとここに出走してきた。エンジンのかかりがゆっくりでも、東京の長い直線なら希望が持てる。
また同じ4歳牝馬エイシンチラーも、年明けの中山で3勝クラスを勝ってオープン入りし、ヴィクトリアMを目標にしている。こちらは一瞬の決め手が武器。
2頭はキズナ、リアルインパクトの産駒でディープインパクトの血を受けており、そこに魅力を感じる。昨年のこのレース1、2着、カラテ、カテドラル、それに左回りで結果の出ているワールドバローズなどの牡馬陣を相手にどう戦うか、注目したい。
きさらぎ賞は、昨年に続いて中京の2000米というところに、以前の京都1800米と異なるものを感じてしまう。
昨年の1、2、3着馬、ラーゴム、ヨーホーレイク、ランドオブリバティは、いずれもが前走が2000米で好走していた。ペースは遅く、3番手のインで脚をためたラーゴムが勝ち、バラけた後方でポツンと追走していたヨーホーレイクが最速の上がりで長く脚を使って2着。
前走ホープフルSで気難しさを出し4角で逸走していたランドオブリバティが、シャドウロールをつけてスムーズに走れて3着と、進化を見せていた。
今年は、前走ホープフルS組からマテンロウレオとシェルビーズアイが長い直線を利して好走するとみた。これに、新種牡馬シルバーステートの産駒で競馬が上手なストロングウィルと落鉄で前走は脚を使えなかったアスクワイルドモアを見直したい。課題を克服できたものに次のチャンスがある。
「きさらぎや 次はさつきか ダービーか」
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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