【フラワーC予想】瞬発力系の馬が日曜より台頭する可能性は高い

2022年03月20日(日) 18:00

毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。

 中山競馬場の芝はAコース4週目。天気の影響も受け、把握しにくい馬場になっている。先週は中〜外伸び傾向。今週も同じと思っていたら、そうではなかった。スプリングSは芝が傷んできている内ラチ沿いを逃げたビーアストニッシドが見事な逃げ切り勝ち。

 2着も2番手につけたアライバルが粘り込んで先行馬決着。岩田康誠騎手のレース前半4F48秒8〜同後半47秒6の絶妙ラップも見事だったが、差し馬は不発だった。レース後、岩田康誠騎手が「内の馬場は良かった」とインタビューで回顧したように、見た目以上にまだ走りやすい状況なのかもしれない。

 金曜から土曜まで中山は約62mmの降雨を記録。その影響で日曜の芝は「重」で始まり、午後1時20分に「稍重」に変更。先週日曜13日朝のJRA測定のクッション値が「9.8」(標準)で20日は「8.7」(同)。同じ標準でも今週は軟らかい馬場になっている。

 日曜は、芝競走は5鞍。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「12番手、2番手、4番手、3番手、1番手」。通過順だけを見れば、先行馬が活躍した。

 4R・3歳未勝利戦(芝1600m)は外を回った2番人気レディナビゲーターが最終4コーナー12番手、それも一番外を回って、伸び切った。個人的にはこのレースを見て、今週も「外差し」と早合点してしまったが、これは勝ったレディナビゲーターの能力が一枚上だったから、大外を回っても届いたのかもしれない。

 その後の芝競走4鞍の勝ち馬は、前で立ち回った馬が制した。雨が残った影響か? 日曜時点では差し馬の瞬発力が、湿った馬場で削がれた可能性もある。

 月曜のフラワーCを推理する上で同じ内回り1800mで行われた9R・スピカS(4歳上3勝クラス)も振り返りたい。レース前半4F48秒6〜同後半4F47秒5で、スプリングSと似たラップ。勝ったホウオウエミーズは4番手インを追走。4コーナー入り口で2頭分ぐらい外に出したが、直線は逃げ粘ったヤマニンデンファレ(4着)の内に入れ、内ラチ沿いから伸び切った。

 スプリングS同様、前&内有利の流れだったのも事実だが、内粘りが利く状況だった。その一方で1番人気ククナは4コーナー9番手の外を回って、勝ち馬とタイム差なし(1分47秒8)の3着まで肉薄している。ペース次第で、完全に中〜外差しになるレースが月曜はあるかもしれない。

 日曜12Rの中山は曇ってかなり暗くなったが、土曜の夜と違って、雨は降らない見込み。このまま雨が降らなければ、月曜は「良」まで回復しそうだ。馬場が乾くことで、瞬発力系の馬が日曜より台頭する可能性は高い。

 フラワーCはパーソナルハイ、コルベイユが逃げ候補。ただ先行型は少なく、スプリングS同様に淡々とした流れになるかもしれない。見た目には内寄りの芝は傷んできているが、引き続き内粘りが利くかは、月曜のレースを見て判断していただければと思う。

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小田哲也

スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。

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