【鹿戸雄一調教師】エフフォーリア始動!大阪杯で真の王者へ「いつも通り、自分の競馬をするだけ」

2022年03月27日(日) 18:02

今週のface

▲3歳にして古馬の強豪たちをねじ伏せてきたエフフォーリア(撮影:橋本健)

皐月賞、そして3歳ながら天皇賞・秋、有馬記念とGIを3勝し、昨年の年度代表馬に選出されたエフフォーリア。2022年は大阪杯から始動します。“現役最強”の呼び声も高いがゆえ、ファンからの関心も高まるばかり。そんなエフフォーリアを管理する鹿戸雄一調教師に昨年の振り返りや近況、さらに今後の展望などをうかがいました。

(取材・文=佐々木祥恵)

1戦ごとに課題をクリア! 圧巻の昨年秋シーズン

──昨年秋シーズンは古馬混合戦の天皇賞・秋、有馬記念を制して年度代表馬にも選出されました。振り返ってみていかがでしたか?

鹿戸 天皇賞・秋の時は、成長して放牧から帰ってきて馬もガラッと変わって良くなっていたこともあり、とても良い状態で出走させられました。チャンピオンホースが2頭いましたので、その馬たちに追いつければと思ってはいましたけど、挑戦者の立場でしたので気持ち的には楽な面もありました。こちらが考えていた以上に強い競馬をして勝つことができましたので、だいぶ本物に近づいてきたと感じました。

今週のface

▲挑戦者として挑んだ天皇賞・秋(撮影:橋本健)

──1番変わった点を教えてください。

鹿戸 精神的にも強くなりましたし、以前は本当に子供っぽかったので、そのあたりもだいぶ解消されて落ち着きが出てきました。精神的にも強くなって少しずつ大人になってきたのだと思います。肉体面でも随分丈夫になってきましたし、筋肉のメリハリもついてきて、本当に良い体になってきたと思います。

──心身ともに成長してきたことで、古馬に混じってもやれるのではないかという手応えはありましたか?

今週のface

▲天皇賞・秋を制し「だいぶ本物に近づいてきたと感じました」(撮影:橋本健)

鹿戸 東京の2000mは1番合っているのではないかと思いましたし、ある程度いい競馬はしてくれると信じていました。

──信じていた通りの競馬をしてくれましたね?

鹿戸 はい、強い競馬をしてくれました。

──有馬記念はいかがでしたか?

鹿戸 天皇賞が終わってノーザンファーム天栄に放牧に出る時に、落鉄などのトラブルがあって少しツメを痛めましたので、天栄では調整が難しかったと思います。僕もたびたび見に行って確認はしていたのですが、回復してゴーサインが出ましたので、有馬記念に挑戦をしました。有馬記念も良いメンバーでしたから気は抜けなかったですし、まだ挑戦者のつもりで臨みました。当初は天皇賞・秋の状態までにはなかなかいかなかったのですが、段々それに近い状態になってきましたので、これなら頑張れるだろうと思い送り出しました。

今週のface

▲万全な状態ではない中での有馬記念制覇には驚愕だ(撮影:下野雄規)

──中山の2500mについては?

鹿戸 距離的には微妙かとは思いましたが、器用なタイプですし、中山コースなのでこなしてくれるのではないかと思っていました。

──有馬記念も強い競馬で優勝して、昨年秋シーズンは成績的には完璧でしたが、その中でもこの先への課題は見つかりましたか?

鹿戸 レースに行くと思ったよりも折り合いをつけるのが難しい面があったのですが、有馬記念では折り合いの心配もなく、すぐに流れに乗れました。1戦ごとに難しい面はクリアしてくれて、課題だった点はほぼ心配なくなりました。

今週のface

▲有馬記念のファン投票では、歴代最多の得票数で1位に輝いた(撮影:下野雄規)

相手のことはあまり意識せず…自分の競馬をするだけ

──大阪杯からの始動になりますが、3か月ほどの放牧を経て現在の状態はどうでしょうか?

鹿戸 レースから逆算してちょうど1か月くらい前の3月4日に帰厩しました。天栄でも順調にこなしていましたし、こちらでも予定どおり問題なく週2本ずつの調教をこなせています。

──1週前追い切りは3月24日でしたね?

鹿戸 3頭併せの1番後ろから行きました、負荷をかけるために前の馬との距離を10馬身ほどあけて追走して、最後は追いつくのに少し時間がかかりましたけど、良い負荷をかけることができました。最後の1ハロンは11秒台でしたし、良い稽古だったと思います。

──今回はジャックドールのような逃げ馬もいますが?

鹿戸 相手のことはあまり意識せずに、自分の競馬をするだけです。体調さえ万全でいければと思っていますし、いつも通り体調を維持して良い状態で出せるようにしたいです。

──阪神コースは初めてですね?

鹿戸 以前は馬運車の中でいたずらをしてみたりといろいろありましたが、少しずつ大人になっていますし、天栄に何回も行き来していますから、輸送に関してはさほど気にはしていないです。コース的には、内回りの小回りになりますけど、札幌や中山でも走っていますので、こちらも気にはしていません。

今週のface

▲輸送や初の阪神も心配はなさそうだ(撮影:橋本健)

──エフフォーリアにとっての理想の展開はありますか?

鹿戸 自分のペースで走るだけですね。

──大阪杯以降のローテーションは決まっていますか?

鹿戸 レース後に問題がなければ宝塚記念というふうには考えています。

──将来的に海外遠征は視野に入っていますでしょうか?

鹿戸 今のところ何とも言えないですが、十分戦える能力はあると思っていますし、できれば挑戦したいですね。

(文中敬称略)

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

netkeiba特派員

ジョッキーや調教師など、毎週“旬”な競馬関係者にインタビュー。netkeiba特派員がジョッキーや調教師、厩舎スタッフなど、いま最も旬な競馬関係者を直撃。ホースマンの勝負師としての信念から、人気ジョッキーのプライベートまで、ここだけで見せてくれる素顔をお届けします!

関連情報

新着コラム

コラムを探す