2022年04月29日(金) 18:00
日曜日のメイン天皇賞(春)には、人気の1頭テーオーロイヤルなど、3歳春に「青葉賞」に出走経験を持つ馬が5頭もいる。2013年、2014年に天皇賞(春)を連勝したフェノーメノが青葉賞の勝ち馬だった。
青葉賞(1995年からトライアル)の出走馬から、日本ダービー馬が誕生していないことは知られるが、これまで28回の歴史の中から、2着馬が6頭、3着馬が5頭も出現している。多くの馬にとって東京の2400mは初めてなので、秘めるスタミナと底力が求められる。今年も日本ダービーを勝つ馬は出現しないかもしれないが、後々まで関係する重要なGII。出世レースでもある。
すでに東京2400mの経験があるのは、グランシエロ(父ハーツクライ)、ダノンギャラクシー(父ディープインパクト)、レヴァンジル(父ドゥラメンテ)、ロンギングエース(父ディープインパクト)の4頭。他場で2400mに出走している伏兵が2頭。いつもの年より距離経験馬が多い。
人気は、いきなりD.レーン騎手を配してきた東京2400mの「ゆりかもめ賞」の勝ち馬レヴァンジル。好位から抜け出し2分27秒3だった。相手もペースも異なるが、日本ダービーに出走して快走するには、大幅なタイム短縮が求められる。
ただ、持ち時計は阪神2400mの「ゆきやなぎ賞」2着のディライトバローズ(父ドゥラメンテ)と並んでトップ。中間の乗り込み量も十分。ここでの評価は下げられない。祖母Cassydoraカシードラ(父Darshaanダルシャーン)は、英、米の芝9-11Fに良績があり、こなせる距離の幅は広い。
そのゆりかもめ賞を0秒3差の3着だったグランシエロは、初の長距離2400mとあって後方に下げ、スローで「1分15秒5-1分11秒8」=2分27秒3の決着のなか、早めにスパートしたレヴァンジルに対し、大事に乗って脚を余した印象があった。上がり33秒9は勝ち馬を上回っている。距離には不安の少ないファミリー出身であり、この中間の快調教から大きく変わる可能性がある。
レーン騎手のレヴァンジル逆転はきびしい気もするが、とくに大きな能力差が認められないのに人気には大きな差が生じると思える。
伏兵グランシエロから、レヴァンジル本線だが、ディライトバローズ、エターナルビクトリ、ジャスティンスカイ…など、少し手広くいきたい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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