2022年05月07日(土) 12:00
春の3歳馬のGI戦も、舞台が東京に移りあと3戦となった。
皐月賞でキャリア2戦で5ヶ月ぶりの実績という異例のローテーションで出走してきたイクイノックスが、あと一歩の2着に入り、最短キャリアのGI馬がそのうちに誕生するような気がしてきた。
他に2戦2勝で共同通信杯を勝っていたダノンベルーガが4着に入り、ダービーでの走りが注目されている。また、桜花賞でも今年はキャリア2戦の馬が2頭出ていて、2戦1勝でチューリップ賞2着のピンハイが5着に入っていた。
これまではキャリア3戦でも特別視するところがあったのに、キャリア2戦で春のGI戦に顔を見せるものが出てきた背景には、育成馬での過ごし方にかなりの進化が見られるからで、飼育方法で工夫が加わり、少ないキャリアでタイトルをめざす流れは、これからどんどん加速していきそうだ。もちろん、レースを使うことで強くなっていくというケースもあるだろうが。
今週のNHKマイルCにも、登録の段階で2頭のキャリア2戦組がいた。これまで10年間、キャリア3〜6戦の馬が8勝、2着9回と圧倒的だったが、さらに加えて、連対した全馬が同年3月以降のレースを一度は走っていた。かなり手堅い傾向に思えるが、これからキャリア2戦組のつけ入る隙があるのかどうか興味のあるところだ。
少ないキャリアで馬へのダメージを少なくし、成長を促すという飼育のやり方は、今では当然のことと見られているが、そればかりではないことも承知している。
昨年のNHKマイルCでは、3戦2勝で前走ディープインパクト記念2着のシュネルマイスターが、2012年のカレンブラックヒルに並ぶ、デビューから4戦目の最小キャリアで優勝していた。また、7着だった牝馬のアナザーリリックも、キャリア3戦だった。レース間隔をあけて使われていて、前走アネモネSを勝ちながらも中3週では厳しいからと桜花賞には出ないでこっちに来ていた。
今年のNHKマイルCには、牝馬のソネットフレーズが、3戦目の最短キャリアでの優勝を狙ってきた。昨年のシュネルマイスターと同じ手塚厩舎の所属で、昨年11月のデイリー杯2歳S2着以来、中175日の実戦だが、脚元の不安でクイーンCを使えなかったという経緯がある。しまいはいい脚を長く使えるタイプだから、ちょっとは気にしておきたい。
あとは、キャリア4戦以上の馬たちだが、マイルでは定価のあるダイワメジャー産駒のマテンロウオリオンを。これまでの実績ならこれと、ジャングロだろう。横山典、武豊の両ベテランの戦い方が焦点になる。さらにはマイルばかりで4戦3勝、朝日杯FS2着のセリフォスも。コースを考えると、スムーズに加速できそうなインダストリアを。これらはこれまでのデータに合致する馬たちだ。
「一条の 名マイラーの 光差す」
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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