2022年05月13日(金) 18:00
この京王杯SCが「重-不良」馬場で行われた例は過去20年間に一回しかない。高速決着ではなく重馬場で1分23秒2も要したその2017年、11番人気のクラレントが2着に流れ込み、3連複など4通りの連勝馬券が万馬券だった。
スピード決着の1400mが時計勝負でなくなると、時計不足の伏兵にもチャンスが訪れ、波乱の危険大。空振り覚悟で4歳リフレイム(父アメリカンファラオ)に注目したい。
父は2015年の米3冠馬。母ケアレスジュエル(その父タピット)の良績も米のダート。芝の渋馬場向きかは不明だが、父が独走したのは不良馬場のプリークネスSと、同じく不良馬場のダートだった。リフレイムは芝の稍重で1着、2着。渋った馬場は下手ではない。
新馬は逃げ切り。2戦目の芝1400mは最後方から大外一気(上がり33秒6)。逃げ-差し自在のここまでの4勝は、馬群にもまれない時。渋馬場でバラける展開が望める。
前走の凡走で一気に評価落ちだが、格上がりの重賞を絡まれながら前半1000m通過57秒1で飛ばす形になっては仕方がない。4勝、2着1回の全連対はすべて左回りの芝。逃げなくとも能力は出し切れる。東京なら直線勝負も可能だろう。
メイケイエール(父ミッキーアイル)には、行きたがる気性の馬は「走りにくい渋馬場だとムキにならない」とされる金言が当てはまりそうだ。芝の重と稍重で勝っている。前走の高松宮記念(重馬場)は5着だが、内を突いた馬同士の勝負になった中、17番枠から出て0秒1差なら凡走ではない。
メイケイエールの祖母ユキチャン(父クロフネ)と、日曜のソダシ(父クロフネ)の母ブチコは姉妹の間柄。ソダシの芝の渋馬場適性のヒントになりそうでもある。
そのメイケイエールと、渋馬場巧者が多いオルフェーヴル産駒のシャインガーネット、ギルデッドミラーを相手本線に、この馬場なのでリフレイムから手広く流したい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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