【ヴィクトリアM】スタンドに響き渡る拍手と興奮の歓声

2022年05月16日(月) 18:00

精神面で立ち直り、ずっと強い内容の勝利

重賞レース回顧

ソダシが力強く抜け出して勝利(C)netkeiba.com、撮影:下野雄規

 入場者の数が増えて約2万7千人。入場門近くの売店では、ソダシのぬいぐるみが飛ぶように売れていた。坂を上がってゴールまで約300m。白毛のソダシ(父クロフネ)が力強く抜け出してきた。興奮の歓声もすごかったが、まだレース中なのにスタンドに響き渡る拍手はもっと大きかった。みんなソダシを見に来ていたのだった。

 先入れのゲートをしばらく嫌がったが、好スタートを決めて好位4番手をキープすると道中は集中力を失わなかった。連敗はしていたが、精神面で立ち直ったソダシはこれまでよりずっと強い内容だった。

 先行タイプが多いので、数字以上にきびしい展開になるかと思えたが、押して伏兵ローザノワール(父マンハッタンカフェ)が先手を奪うと、すんなり隊列が決まりレース全体の前後半は「34秒7-46秒3-(1000m通過58秒0)-45秒9-34秒2」=1分32秒2。

 近年のヴィクトリアマイル(東京1600m)はハイペースにならないことが多いが、今年は例年以上に落ち着いたペースとなった。

 同じようなバランスだった2021年はグランアレグリアが4馬身抜け出し、2着以下は微差の接戦。2020年はアーモンドアイが抜け出て4馬身差。2着以下が大接戦だったが、今年もソダシが2馬身差の完勝。2着以下は「クビ、ハナ、ハナ…」の接戦。

 差のつきにくい平均ペースだったことを考えると、・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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