2022年06月15日(水) 18:02
▲北村友一騎手が経験した地獄の11日間が明らかに(撮影:桂伸也)
11日の中京競馬場で、1年1か月ぶりの実戦復帰をはたした北村友一騎手。当日はたくさんのファンに温かく迎えられ、「感謝しかありません」とそのありがたみをかみしめました。
さて今回は、長期離脱中の北村騎手のメンタルがテーマです。「心が折れている暇なんかなかった」「流れがいいときのケガだったからこそ」と、北村騎手の口からは意外なほどにポジティブな言葉の数々が。大怪我でもすぐに前を向いた、北村騎手の心の持ちように迫ります。
(取材・構成=不破由妃子)
──昨年末、クロノジェネシスのラストランに合わせて取材をさせていただきましたが、そのときに今回のケガを振り返って、「心が折れている暇なんかなかった」とおっしゃっていて。強いなぁと思った覚えがあります。
北村 今回はケガをした瞬間から、復帰してからのことをすごく考えていました。「(流れが)いいときにケガをする」と言われることが多くて、確かにその通りなんですけど、いいときにケガをしているからこそ、戻る意欲が湧き出るというか。これがもし、悪いときにケガをしたとしたら…。
佑介 気持ち的に萎えるよな。
北村 はい。復帰する意欲やモチベーションが高まってこないと思います。今回も海外遠征などいろいろと経験させてもらった直後のケガだったので、復帰したらもっとこうしたいとか、ああしたいとか、やりたいことがたくさんあった。だから、前向きにリハビリに取り組めたような気がします。
──とはいえ、まったく動けない時間というのも長かったんですよね。
北村 本当に1ミリも動けなかったのは11日間です。かろうじて左手だけほんの少し動いたんですけど、もちろん寝返りも打てないし、首も動かないので、その間はずーっと天井を見ているしかなくて。
佑介 その状態が11日間か…。地獄やな。
北村 ご飯もね、その状態のまま・・・
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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。
藤岡佑介
1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。
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