【宝塚記念予想】タイトルホルダーとエフフォーリア、妙味があるのはどっち?/第86回

2022年06月25日(土) 12:00

今年の宝塚記念は、例年以上の激戦が予想されます。フルゲートになり、有馬記念、大阪杯、天皇賞春それぞれの勝ち馬がそろい、パンサラッサという稀代の逃げ馬が激流を作ることが想定されます。かつてないほど難解になったグランプリを妙味の観点から占っていきたいと思います。

(取材・文・構成=オーパーツ・パブリッシング 編集K3)

ドゥラメンテ産駒の儲かるツボとは?

編集K3(以下、K3) いよいよ上半期を締め括るグランプリレース、宝塚記念です。エフフォーリアが大阪杯で不可解な負け方をしたので、タイトルホルダーが予想1番人気になっています。

 ファン投票1位もタイトルホルダーですもんね。

K3 昨年の天皇賞秋を勝った時点では、エフフォーリアの時代が来るんじゃないかと思っていたんですけど、これは予想外の展開でした。

 でも、2頭の対戦成績は、3戦してすべてエフフォーリアが先着しているんですよね? 大阪杯で負けただけでエフフォーリアの評価がここまで下がるのも不思議ですね。

K3 大阪杯の敗因がよくわからないので、手を出しづらいんでしょうね。だからと言って、タイトルホルダーで安心というわけでもなくて、天皇賞春を勝った馬が宝塚記念で1番人気になるパターンって、何か嫌な感じがするんですよね。2015年のゴールドシップが単勝1.9倍で15着、2017年のキタサンブラックが単勝1.4倍で9着に負けていますから。

 では、タイトルホルダーの信頼度を測るために、恒例の妙味度解説はドゥラメンテにしましょう。同産駒のアリーヴォも出走しますし。

K3 いいですね。ドゥラメンテは昨年の夏に他界しましたけど、その後に産駒が大活躍しましたね。タイトルホルダーが菊花賞、天皇賞春を勝って、スターズオンアースが牝馬二冠を達成して、アリーヴォも大阪杯3着ですからね。

 電子書籍『中央競馬 妙味度名鑑 2022』のドゥラメンテのページを見てください。

儲かる軸馬

特徴をまとめると、このようになります。

・全体的に過小評価傾向
・芝の利益度ランキング6位
・ダートはこなすが妙味はない
・距離が延びるほど妙味度が高くなる
・中距離(1700〜2200m)の利益度は2位
・オープンの妙味度は高くない
・距離短縮より距離延長のほうが良い

K3 普通の回収率(均等買い)で見ると単勝回収率75%、複勝回収率73%で、そんなに優秀とは思えないんですが、妙味度は高いんですね?

 調べてみると、単勝オッズで成績が全然違いますね。1〜19.9倍だと単勝回収率93%、複勝回収率87%なんですけど、20倍以上だと単勝回収率51%、複勝回収率54%になります。

K3 人気のない馬が数字をかなり下げているので、均等買いの回収率が良くないわけですね?

 はい。でも、払い戻しが均等になるように資金配分した場合は、平均を超えてくるということです。妙味度は回収率が持つ様々な問題点を解消するために補正しているので、こういうのを見逃しません。

K3 ドゥラメンテはノーザンテースト、トニービン、サンデーサイレンス、キングカメハメハと日本で最高の種牡馬を重ねてきた血統ですけど、王道血統ゆえに大穴をあけるような意外性はないのかもしれませんね。

 宝塚記念の条件だと、「芝」「中距離」「右回り」は妙味度が高いんですけど、「阪神競馬場」「オープン(重賞含む)」の妙味度は低いですね。

K3 え、「オープン(重賞含む)」はタイトルホルダーやスターズオンアースが勝っているじゃないですか! ?

 でも、人気で負けることも多いんです。最近の重賞でも、青葉賞のレヴァンジル(1番人気5着)、新潟大賞典のアイコンテーラー(1番人気9着)が負けています。タイトルホルダーもセントライト記念は1番人気13着でしたしね。

K3 距離短縮より距離延長が良いというのは納得です。タイトルホルダーもスターズオンアースも距離短縮のときに負けていますもんね。アリーヴォの大阪杯(7番人気3着)は距離延長でしたし。

 タイトルホルダーは今回、3200mから2200mへの距離短縮になります。

K3 そうですね。アリーヴォは今回も距離延長ですか。

 そのあたりがどう影響するか、総合妙味度を見ていきましょう。予想1〜5番人気の総合妙味度はこのようになっています。・・・

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2007-2009年の3年間で、28億7000万円の馬券を購入し、払戻金30億1000万円を得たことで大阪国税局に告発され、単純無申告の罪で起訴された、俗にいう“外れ馬券裁判”の当事者。2004年に、高回収率を期待できる馬を抽出する独自の指数“卍指数”をもとに、パソコンで自動購入を行う錬金システムを構築。その後、2ちゃんねるの競馬板で豪快な馬券を当て続け、伝説となっていた。

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