2022年10月08日(土) 12:00
東京の開幕週、速い脚が生きる毎日王冠には、いよいよ出番と有力馬が集い、多くの名勝負がくり広げられてきた。スーパーGIIと呼ばれる所以(ゆえん)はそこにある。しかもその先には、大きな目標が見えている。ここを通過する目安はそれぞれ異なるが、どう納得して前進できるか、勝てずとも、そこがとても重要でもある。
この10年で顕著なのが連対を果たしたものの、そこまでの戦績から見えてくるもので、よく言われてはいるが、次の3点だ。「GIの勝ち馬」「重賞2勝以上している」「重賞勝ち馬でGIで連対実績のあるもの」ということだが、少なくともこの6年間は、この範囲内で1、2着馬が出ていた。ただ今年は、いつも好成績を挙げる春のGIを戦った3歳馬が出ていないので、これまでの傾向から外れる可能性も考えなくてはならない。
前述の3つの連対条件以外でこの10年、どんな馬が1、2着に来ていたかをみてみると、今年の参考になる馬がはっきりしてくる。
順にさかのぼると、まず2015年1番人気で逃げ切ったエイシンヒカリ(牡4)は、この年のエプソムCを逃げ切り初重賞制覇を達成したばかりだった。卓越したスピードでここまで8戦7勝で秋を迎えていた。
2014年8番人気で勝ったエアソミュール(牡5)は、6月の鳴尾記念で初めて重賞勝ち、馬込みで折り合い上がり3ハロン33秒3でまとめていた。そして2着には、5月のオープン特別を勝っただけの11番人気サンレイレーザー(牡5)が意表をついた逃げで入り、大荒れとなっていた。
そして2013年と12年は、いずれもジャスタウェイが2着に来ている。3歳時は重賞はアーリントンC1勝のみ、ダービー11着で秋の毎日王冠を戦っていたが、その後、いくつかの重賞で2着には来ていたが勝てず、4歳時の2013年は6番人気で2着、次の秋の天皇賞で見事GI馬に上りつめていた。じっくり力をつけていった馬と言っていいだろう。
今年の顔ぶれを見ると、まずGI馬は4頭いる。中でも、皐月賞、ダービーの2着が光るサリオスが2年前の毎日王冠1着以降勝てていないが、前走の安田記念タイム差なしの3着で復活の手応えを感じた。あとは、春の大阪杯の1、2着馬ポタジェ、レイパパレのディープインパクト産駒が狙えそうだ。
エプソムCで初重賞制覇のノースブリッジは、大きなストライドで時計勝負でどうかとも思うが、道悪をものともせず3番手から抜け出した前走の内容から、かなりのパワーアップが予測できる。先手を取って流れに乗れる強味がある。
秋の初戦なので伏兵も考えておくべきだが、それなら皐月賞馬エポカドーロを兄に持つキングストンボーイを。3歳時、青葉賞2着に入りながらダービーには出ず、将来を考え休ませていた。末脚を生かし上位へ。
「迷いなく タイトルめざし まっしぐら」
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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