2022年10月15日(土) 12:00
秋華賞はここ4年、オークスからの直行組が勝ってきた。それ以前はずっと、ローズSや紫苑Sのトライアルを戦ってから本番というスタイルだったので、この様変わりはちょっと気になる。今年も、春二冠のスターズオンアースがオークスからのぶっつけ本番なので、この流れが続く可能性は高い。さらにこの4年の勝ち馬には、アーモンドアイ、デアリングタクトがいて牝馬三冠を達成していた。2018年、20年なので一年おき、丁度今年は三冠達成の年にあたる。少し出来すぎた話に見えるが、事実になれば語り草になるだろう。
三冠牝馬はこれまで6頭出ているが、エリザベス女王杯が3歳限定だった頃のメジロラモーヌが入っているので、秋華賞が出来てからは、スティルインラブ、アパパネ、ジェンティルドンナ、そしてアーモンドアイ、デアリングタクトの5頭。この期間に秋華賞で三冠をめざした春の二冠馬は6頭いたので、その大半が目的を達成したことになる。どれだけ、桜花賞、オークスを勝ったものがその世代でとび抜けた存在かがわかる。スターズオンアースへの信頼を強める事実と言っていい。
この中で只一頭秋華賞で敗れた春の二冠馬は、2009年のブエナビスタだけだが、次元の違う決め脚を武器に、古馬になってから秋の天皇賞やジャパンCで牡馬に伍して勝利した女傑だった。秋華賞ではスタートで後手を踏み、4角で馬群をぬって上がっていくときに他馬の進路を妨害したと判断され、ハナ差の2着から3着に降着されていた。極どい判定だったが、それだけ上がっていくときの勢いが凄かったとも言えた。「京都内回りが生んだ悲劇」と活字になったほどで、その後のレースで、改めて真価を発揮できてよかったと思っている出来事だったので、あえて触れておいた。
さて今年のスターズオンアースだが、2戦目に未勝利を脱してから2勝目がなかなか挙げられず、重賞2着2回で賞金を加算しての桜花賞出走だった。モタれる癖があったそうだが、そのウイークポイントを克服してからは立回りの器用さにみがきがかかったと見ている。オークス後の両前脚の手術があったが、適当な休養がとれたと考えてみたい。
これを追うのは、やはりオークスで2着と好走したスタニングローズだろう。紫苑S組は3年連続で連対を果たしているが、大外枠から好位につけ、直線では渋太く伸びて逃げ馬をとらえたその紫苑Sは、クビ差でも危なげない勝ち方だった。メンバー最多の4勝をしており、阪神内回りで良さが生きる。
同じ高野きゅう舎でオークス3着馬ナミュールも、春の二冠でそれほど負けていないので、その後の成長を思えば走ってもおかしくない。高野きゅう舎と言えば、8年前紫苑S2着のショウナンパンドラがオークス馬を破ったことがあった。二冠馬を追うのはこの2頭だ。
「為せば成る 大きな勲章 もうひとつ」
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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