【AR共和国杯】騎手も驚く急成長で勢いに乗って重賞制覇

2022年11月07日(月) 18:00

挑戦者らしい先行策

重賞レース回顧

ブレークアップが勝利したアルゼンチン共和国杯(C)netkeiba.com、撮影:下野雄規

 近年は「3-4」歳馬の出世レースの色合いが濃い長距離のハンデ重賞を、今年も4歳ブレークアップ(父ノヴェリスト)が、3勝クラスを勝ったばかりの勢いに乗って快勝した。

 とくに若い馬有利の傾向が強まった最近15年に限ると、3-4歳馬「11勝」。5歳以上馬「4勝」となった。

 今年出走していた3-4歳馬はわずか3頭だけ。そこで4歳テーオーロイヤル(父リオンディーズ)、3歳キラーアビリティ(父ディープインパクト)が人気を集めたのは自然な成り行きだった。しかし、勝ったのはもう1頭の4歳馬、6番人気のブレークアップ。騎乗した田辺裕信騎手が、「まさか勝てるとは…。正直、びっくりしている」と振り返る急成長だった。

 レースの流れは前後半の1200m「1分13秒8-(6秒2)-1分11秒1」=2分31秒1。先手を主張したキングオブドラゴン(父ハーツクライ)から離れた3番手で先行したブレークアップの前半1200m通過は推定1分15秒0前後。

 理想の好位で、自身はスローでの楽な追走。同じような位置にいた、これも格上がりのカントル(父ディープインパクト)が小差の4着しているから、上がり馬の強みを生かそうと挑戦者らしい先行策をとった馬向きの流れだった。

 善戦しながらもあと一歩の詰めが甘い6歳ラストドラフト(父ノヴェリスト)、5歳ヒートオンビート(父キングカメハメハ)が、5着、3着。この兄弟をこの距離での一応の能力基準とすると、・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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