2022年11月10日(木) 18:01
▲矢作師が語るステイフーリッシュと凱旋門賞(撮影:高橋正和)
凱旋門賞に挑んだステイフーリッシュの引退が先日、発表されました。今年に入り、サウジアラビアとドバイで重賞を連勝しての凱旋門賞参戦は、矢作芳人調教師でさえ「年明けの時点では想像すらできなかった」というものでした。結果は残念ながら14着でしたが、直前の大雨を含めて経験したからこそ感じられたことがあったそう。
また、国内ではパンサラッサが天皇賞・秋で大逃げから僅差の2着。ファンを大いに沸かせましたが、実は緻密に計算された大逃げだったとか。そんな秋注目の2戦について矢作調教師による回顧コラムをお届けします。
前編はステイフーリッシュと凱旋門賞、後編では話題沸騰のパンサラッサや、大反響の「調教師飲み対談」の後日談をお送りします。
(取材・構成=大恵陽子)
──矢作厩舎として初出走となった凱旋門賞について、イメージと現実はどんなものでしたか?
矢作 自分では言っていなかったけど、凱旋門賞は何度も何度も見に行っていたんです。現地で見るのは今回で5回目くらいかな。なので、イメージはどちらかというとそのままで、馬場もわりと自分の思っていた通りといえば通りでした。ただ、現実に出走させてみると、気持ちは違いました。言葉で表すのは難しいけど、具体的にどういう馬を連れてきたらいいか、というイメージが今までよりは湧くようになったよね。そこが出走させてみて一番感じたことかな。
▲何度も視察していた凱旋門賞も実際に出走させたことで発見が(撮影:高橋正和)
──長年、「凱旋門賞制覇は日本の悲願」のように言われています。日本馬がそれを叶えようと思うと、どんなことが必要だと思われますか?
矢作 それはとても言葉で表すことはできないと思います。そんな簡単なことではないですが、いろんなアプローチがあると思うよね。たとえば、いま一般的に言われているのは長期滞在。去年、エントシャイデンを帯同馬としてしばらくフランスに滞在させて2回レースに使って、今年はステイフーリッシュも2回レースに使いましたけど、やはりあそこの調教場で調教をすることで走りが変わってきました。
だから、長期滞在は一つの手段だと思うし、逆に強い馬で超直前輸送で行くっていうのもアリだと思います。それぞれの個性やタイプが違うので、いろんなアプローチの仕方があると思いますし、俺の中で思っているけど・・・
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