2022年11月11日(金) 18:00
今週は3場で4つもの2歳特別戦が組まれているが、阪神のGII重賞「デイリー杯2歳S」は重要。昨年の勝ち馬は、次週のマイルCS出走予定の3歳セリフォス。今週日曜のエリザベス女王杯で人気のスタニングローズも出走して5着だった。
2018年の勝ち馬はアドマイヤマーズ、2017年はジャンダルムなど、のちのGI級のスピード馬が勝っている。
ビッグレースに向け、勝ち抜きのトーナメント戦が始まった時期なので、もう14年も連続して前走1着馬が勝ち続けているのが第一の特徴。今年もこれが当てはまるなら、人気のダノンタッチダウン(こちらは次週のマイルCS予定ダノンザキッドの半弟)など、前走勝っている馬(5頭)が主軸になる。
もうひとつのこのGIIの大きな特徴は、ここまでなんと関西馬(関西公営所属馬も含む)が第一回以来「56連勝」中であり、関東馬は1頭も勝っていないこと。ところが、今年はコース適性、距離などを考慮し、珍しく関東馬が3頭も出走する。
はたして反撃できるだろうか。関東馬オールパルフェのここまで2戦のマイルの走破時計は、関西馬クルゼイロドスル(1分33秒5)、シルヴァーデューク(1分34秒0)の最高タイムに2秒1も、1秒6も見劣る。まして、オールパルフェが新馬で完敗したノッキングポイントは、サウジアラビアRC1600mで3着シルヴァーデュークに先着を許す4着だった。
しかし、オールパルフェの調教動きは一段と力強くなり、スピード能力も備えている。父リアルスティール(その父ディープインパクト)は1800mの新馬勝ちのあと、続く共同通信杯(同じ1800m)で3秒7も時計を詰めて人気のドゥラメンテに勝っている。1600mの距離が魅力で、このデイリー杯を選んだオールパルフェの果敢な先行力に期待したい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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