【ユーザー質問】ムチの効果は“音”にある? 来年のルール変更に伴う苦悩を語る「今のムチは本当に柔らかい」

2022年11月29日(火) 18:02

“ミルコレビュー”

▲来年からムチの連続使用回数に関するルールが変更に(撮影:桂伸也)

先月JRAより、来年からムチの連続使用回数が5回に制限されることが発表されました。それまでの10回から一気に半分に制限されることに苦悩はありつつも、「考えていかなくちゃならない問題」とミルコ騎手も意識を持っているとのこと。それもそのはず、ヨーロッパでは既に日本より厳しい制限と罰則があります。

しかし、ムチを入れなくても頑張れる馬、入れなければ頑張らない馬など一頭一頭に個性もあり、一括りにはできない問題。今回はそんなムチに関する質問を取り上げます。

(取材・構成=森カオル)

Q「来年から、ムチの連続使用回数が10回から5回に変更されるそうですね。いつも思うのですが、真剣勝負をしているなかで、ムチの回数を数えている余裕はあるのですか?」(マーちゃんさん)

ミルコ 数えてるよ! でもたまに、接戦になったりして勝ちたい気持ちが高まってくると、数える余裕がなくなる(苦笑)。ダメなんだけどね。僕、それでけっこう失敗しているから、意識して変わらなくちゃダメですね。

──ミルコさんが、ムチの使用回数で制裁を受けている印象はあまりないですけどね。

ミルコ いやぁ、よく裁決委員の人に「注意してください」って言われます。たとえば、見せムチだとしても、格好が同じだから、見た目が叩いているように見えるからって。けっこう言われてるね。正直、直すまでまだちょっと時間が掛かりそうだけど、今まで以上に意識しなくちゃ。

──なにしろ、10回から5回。今までの半分ですからね。

ミルコ もうホントに大変。あんまり叩きたくないですね、僕。でも、世界的に見れば、これからもっと考えていかなくちゃいけない問題です。すでにヨーロッパでは、ものすごく厳しく制限しているから。向こうで乗っているとき、もっと叩いていたら勝っていたかもしれないと思うレースが何回もあったけど、やっぱりルールは守らなくちゃダメですね。勝つために叩いて、実際に勝ったとしても、罰金がものすごく大きいし、騎乗停止にもなる。

──騎乗停止とは厳しい…。

ミルコ 日本はならないけど、ヨーロッパではなります。ドイツは40%とか50%とか賞金を取り上げられるし、フランスは確か1回目10万円、2回目は騎乗停止だったかな。イングリッシュもそうだった。

──フランスは、連続かどうかにかかわらず、1レースにつきムチの使用は5回までですよね。

ミルコ そうですね。厳しいです・・・

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ミルコ・デムーロ

1979年1月11日、イタリア生まれ。弟のクリスチャン・デムーロはイタリアのジョッキー。1997年から4年連続でイタリアリーディング。1999年に初来日。2003年、ネオユニヴァースの皐月賞でJRAGI初制覇。続くダービーも制し、外国人ジョッキー初の東京優駿制覇。2015年3月1日付けでJRAジョッキーに。

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