2022年12月17日(土) 12:00
先週の阪神ジュベナイルFは、世代屈指の決め手を生かしたリバティアイランドが1番人気に応え、桜花賞の主役の座を不動のものにしたが、2着にはキャリア1戦で12番人気のシンリョクカが入り波乱となっていた。
今週の朝日杯フューチュリティSにもキャリア1戦の馬がいるので少し触れてみたい。
このGI戦が現在の阪神外回りの1600米に移ってから8年、キャリア1戦で挑んだ馬は3年だけで3頭のみ。その中で勝利できたのは7年前で、菊花賞とジャパンCを勝ったエピファネイアの半弟リオンディーズがいるだけで、あとは7着、10着に終っていた。
デビュー2戦目でGI馬になるのは難しいことだが、リオンディーズは母がオークス馬のシーザリオで1月29日生まれ、パワーのある馬で11月下旬の2000米の新馬戦で上がり3ハロン、33秒4の末脚をくり出し勝利していた。後方でじっくり構え、直線エンジンがかかると力強いフォームで伸びてきて、2戦目の朝日杯フューチュリティSでは、33秒3でまとめていた。持っている資質がこの快挙に結びついたのだった。
今年はキャリア1戦馬は2頭、新種牡馬リアルスティールの産駒エンファサイズと英国産馬レイべリングだが、どちらも魅力がある。エンファサイズは阪神のマイル戦でデビュー、最速の上がりで勝っているが、ディープインパクトの血を引くリアルスティールの産駒だからこのコースは合っている。
もう一頭のレイべリングは、東京のマイル戦でデビュー勝ちしたが、17頭立ての大外枠から中団で折り合いをつけ、33秒1で差し切っていた。欧州でG1・10勝を含む14戦無敗の名馬フランケルが父馬。
この産駒は、2年前にグレナディアガーズが2歳日本レコードで勝っており裏付けは十分だ。フランケル産駒のこの2頭は、どちらも前進気性が強く、レースでは我慢させて折り合いをつけて勝っているが、大一番に強いタイプと言える。
今年のレイべリングは、2戦目と言っても2月5日生まれというのが強調できる。素質に加え、完成度がものを言う若駒たちのレースだから、少しでも早く生まれたものが有利とも言える。
他では、サウジアラビアRCで、大きくはなれた逃げ馬を2番手で追いかけ、33秒4の差し脚でつかまえたドルチェモアを。桜花賞馬アユサンの子で母子GI制覇がかかっている。スタートが速くレース上手で、2月21日生まれというのも強調できる。
それと、デイリー杯2歳Sを好タイムで勝っているオールパルフェと、これを追いつめて2着とは言え33秒1の切れ味が光ったダノンタッチダウンを加えておきたい。
オールパルフェは3戦とも逃げていたが、二の脚が速くてそうなってはいるが、2、3番手でも競馬はできる。ダノンタッチダウンは、兄にホープフルSを勝ったダノンザキッドがおり、心身とも幼さが残るが、将来性はある。
「待っている さらなる飛躍 夢でなく」
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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