2022年12月20日(火) 18:01
▲引退を発表したデットーリ騎手とのエピソードを語る(c)netkeiba.com
先日、世界的名手、ランフランコ・デットーリ騎手が、来年いっぱいでの引退を発表。世界の競馬界に衝撃が走りました。そんな中、遡ること29年前、小牧騎手も“デットーリの衝撃”を受けたひとりで…。世界の広さを痛感し、挫折を味わったという出来事とともに、デットーリ騎手の思い出と引退を受けての心境を語ってくれました。
(取材・文:不破由妃子)
──今週の『太論』は、ユーザーからの質問から。「デットーリ騎手が、来年いっぱいでの引退を発表しました。デットーリ騎手とはほぼ同世代(小牧騎手のほうが3つ上)ですが、何か思い出があれば教えてください」。
小牧 前にも話したことがあるけど、若い頃、(武)豊くんの次にファンになったのがデットーリやったからね。
──ああ、ヤングジョッキーズワールドチャンピオンシップで競演をはたしたんですよね。
小牧 うん。1993年、僕が25歳のときやったかな。中央からは、豊くん、ノリくん(横山典弘騎手)、(田中)勝春くん、上村(洋行現調教師)くんが出場していて、僕は確か12人中4位やった。
──“園田の小牧太”の存在感を見せつけたわけですね。
小牧 いやいや、土日で対象4レースに乗って、そのポイントで競ったんやけど、そのうちデットーリが3つも勝ったんやで。もう勝ちまくりや。当時はね、「俺が世界で一番上手い」と思っていた頃やったから(笑)、あれは衝撃だったなぁ。世界にはなんぼでもすごいヤツがおるんやなと思って、ホンマに衝撃だった。もう30年近く前の出来事やけど、よう覚えてるよ。
──そのときに受けた衝撃が、向上心を刺激したところもあるのでは?
小牧 そうやね。とにかくデットーリの乗り方を見てたね。勉強してた。騎乗スタイルはそれぞれ自分なりやけど、馬込みの捌き方とか、すごく勉強になったよ。ああいう馬との間隔がタイトなレースって、それまでの日本にはなかったからね。
──話をしたりも?
小牧 してたよ。でも・・・
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小牧太
1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。
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