2022年12月21日(水) 18:01
▲石神騎手とお送りするwith佑、最終回
石神騎手をゲストに迎えてお送りする『with佑』は今回が最終回。オジュウチョウサンが絶対王者であると同時に石神騎手も誰もが認める障害のスペシャリスト。そんな石神騎手が今の成績を挙げられているのはオジュウの存在に加え先輩騎手の存在も大きいそうで、それには障害マニアである佑介騎手も思い当たるところがあるんだとか…。
さて、いよいよ今週土曜に行われる中山大障害、泣いても笑っても最後となるオジュウとのレース。石神騎手も「もちろん無事に…」と話しますが、そこは勝負師「勝ちにはこだわりたい」と意欲を燃やします。いざ有終の美へ、最後の意気込みを伺います。
(取材・構成=不破由妃子)
佑介 オジュウチョウサンに出会ってから、成績もめちゃくちゃ向上されて、いまや押しも押されもせぬ障害界のトップジョッキーに。やっぱり、オジュウを通して学んだことが生きている感じですか?
石神 もちろん。でも、学んだという意味では、高田(潤)先輩の存在が大きいかな。
佑介 ああ、潤くん。
石神 オジュウに乗ってスクーリングするときって、だいたい高田先輩と一緒にするんだけど、そのときにたくさんアドバイスをくれてね。高田先輩はヨーロッパに行った経験もあるから、現地のいろんな調教方法を教えてくれたりして。まぁ、そうやって高田先輩に教えてもらえるようになったのも、オジュウのおかげなんだけどね。もちろん、オジュウから教えてもらったこともたくさんあるけど、オジュウには何より自信を付けさせてもらったよ。
佑介 今、話を聞いていて、今年の小倉サマージャンプ(アサクサゲンキ1着)を思い出しました。というのも、潤くんが小倉で得意とする勝ちパターンによく似ていたから。
石神 佑介くん、さすが障害マニアだけあるね。よく見てる。俺、高田先輩が小倉で勝ったレース、めっちゃ見たもん。前に行って勝ったレースも、後ろから行って勝ったレースも、どちらもめっちゃ見た。それに気づくなんて、本当に障害に詳しいんだね。
佑介 なにしろ、潤くんの口癖は「石神に教えすぎたな」ですからね(笑)。それにしても、あの小倉サマージャンプで障害重賞全場制覇にして、史上初の障害重賞完全制覇。本当にすごいことですね。
▲今年の小倉サマージャンプをアサクサゲンキで勝利(c)netkeiba.com
石神 小倉は本当に苦手意識があってね。あとは小倉の重賞だけだなっていう意識はずーっと持ってた。そんなときに、新潟ジャンプSと小倉サマージャンプをセットでということで、アサクサゲンキの騎乗依頼をもらったんだよ。かなり早い段階で、4月くらいだったかな。そこからずーっと小倉の重賞のことを考えてた。
──まだ1カ月ありますが(取材時点)、今年は2017年以来の障害リーディングも視野に。
石神 森(一馬)くんがなかなかしぶとくてねぇ…(苦笑)。
※12月18日終了現在、ともに15勝で勝ち星はタイ。2着差で石神騎手がトップ。
佑介 石神先輩も一目置く存在ですか?
石神 そうだね。やっぱり上手いもん。なにしろ彼は、障害レースを怖がらない。普通はね、落馬したあとは恐怖感が残って、ビビっちゃったりするんだよ。忘れようとしても、どうしても腰が引けちゃうというかね。でも、彼はそういうのがない。メンタル面がすごく強いと思うよ。
佑介 少し腰が引けちゃうくらいが人間らしいなと思いますけどね(笑)。
石神 アハハハ・・・
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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。
藤岡佑介
1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。
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