【フェアリーS予想】前走で切れる末脚を見せた馬の一変に期待

2023年01月08日(日) 18:00

桜花賞路線での重要度が戻っており、この中に…

距離、時期など変遷はあるが、このレースの前身は12月に行われていた「テレビ東京賞3歳牝馬S」1600mになる。第1回の勝ち馬はエルプス、第2回の勝ち馬はメジロラモーヌ。ともに翌春の桜花賞を制している。

 やがて1200mになり、さらに1月に移り1600mに戻ったが、関西馬の大攻勢もあり桜花賞との関連は薄れた。だが、2020年の勝ち馬スマイルカナ、2021年の勝ち馬ファインルージュが桜花賞を3着。2022年の2着馬スターズオンアースは牝馬三冠を「1、1、3着」。
出走馬陣営のスケジュールの変化とともに、再び桜花賞路線での重要度が戻っている。

 現時点の桜花賞候補の筆頭は阪神JFを快勝して3戦2勝のリバティアイランド(父ドゥラメンテ)だが、このレースの出走馬にも桜花賞の穴馬がいるかもしれない。

 そのリバティアイランドを一応の基準馬とすると、イコノスタシス(父モーリス)は新馬戦で0秒7差の4着。ミシシッピテソーロ(父ダノンバラード)は、リバティアイランドが快勝したGI阪神JFで同じく0秒7差の5着。ともに有力馬となりえる。 

 コースの異なる時計の評価は危険だが、11月の京王杯2歳S1400mの勝ち時計は1分20秒9。東京の2歳コースレコードと0秒1差だった。先行して1分21秒1で粘った3着スピードオブライト(父ロードカナロア)は、この枠順だからマイルでも要注意。

 一変が望めるのは、出負けして最後方近くを追走となったエナジーチャイム(父エピファネイア)。直線中ほどで勝ち負けはムリと判断すると、まだ2戦目の小柄馬とあって最後はムリに追うのを断念しながら、上がり最速の33秒3だった。それで0秒5差だから侮れない。祖母アフリカンピアノ(父ディープインパクト)は、ワールドエース、ワールドプレミア、ヴェルトライゼンデと、父がみんな同父系のきょうだいになる。

 前回が426キロの小型馬だけに、このあとうまく成長してくれるかがカギだが、中間の馬体は良くなっている。ここで巻き返したいエナジーチャイムに期待したい。

 この枠順だから先手を主張しそうなスピードオブライト、直線で不利がありながら阪神JFを5着したミシシッピテソーロ本線に、内枠の馬を主力に少し手広くいきたい。

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

関連情報

新着コラム

コラムを探す