【京成杯・日経新春杯】どう戦うかにより関心が高まるこの時期の重賞

2023年01月14日(土) 12:00

近年の勝ち馬には末脚がいいという共通点

 この先に結びつくものが見つかるかどうか、勝つことが一番でもそこに大きな意味を持つこの時期の重賞は、どう戦うかにより関心が高まる。京成杯は中山の2000米、日経新春杯は3年目となる中京の2200米で、そのコースの特徴も勝敗を分ける大きな要素だ。

 明け3歳馬の京成杯は、キャリアの浅いメンバーが成長を競うレースで、どれだけ可能性を秘めているかに焦点を当てることになる。この5年の勝ち馬を見ると、3戦2勝でいずれも2000米の勝ち星だった2頭の他は、3頭ものキャリア一戦組がいる。

 4年前、レース史上初めてデビュー2戦目で勝ったラストドラフトは、スタートが良すぎて想定より前の2番手から4コーナー先頭という横綱相撲で1馬身4分の1差の完勝、ノヴェリスト2年目産駒で父に初めて重賞タイトルをプレゼントしていた。初戦の新馬戦は東京の1800米、上がり3ハロン33秒1の鋭い脚で勝っていて、評価の高いデビュー戦だったが、京成杯はペースが緩い分、前で我慢する競馬だった。

 翌年のクリスタルブラックも2戦目での勝利で、暮の中山1800米の新馬戦を、前残りの流れにかかわらず大外からまとめて交わす破天荒な差し脚で勝ち、続くここでも鬼脚で圧倒していた。

 そして2021年、秋に東京の2000米で逃げ切って新馬勝ちしていたグラティアスが、スローペースの2番手から良くいい脚を見せ、メンバー最速の上がりタイムで勝っていた。

 3年連続、2019、20、21年と2戦2勝の京成杯勝ち馬が生まれていて、今年のソールオリエンスへの期待も大きい。勝ち馬のいずれもが末脚がいいという共通点があり、このソールオリエンスも東京の1800米の新馬戦を3番手から脚を伸ばしてせり合いを制していた。冬場の連続開幕でタフな馬場だが、自力で動いて行けるこの馬の強味が生きそうだ。

 脚質からピックアップできるのは、あと、サヴォーナ、シャンパンカラー、セブンマジシャンといったところになる。

 日経新春杯は、今年も中京の2200米。過去2年のここでのレースを見ると、とにかくレースはスローに流れる。スタートしてから第1コーナーまでが長く、しかも上り坂があるためで、その分、3コーナーからの長いスパートに堪える脚力がもとめられる。

 しかもハンデ戦、波乱の要素が見え隠れする。2年前が53キロの5歳馬ショウリュウイクゾが勝ち、昨年は55キロの4歳馬ヨーホーレイクでそれぞれ7番人気、3番人気で重賞初勝利を記録していた。

 今年は菊花賞から直行した4歳馬から、コース実績、しぶとい脚質のヤマニンゼスト、格上挑戦でハンデの軽いヴェローナシチー、成長期にあるプラダリアの3頭に、昨秋ジャパンCで大接戦したヴェルトライゼンデとオールカマーで中団から伸びて2着したロバートソンキーの6歳馬2頭を加えた中から検討を加えたい。

「ひとつ勝ち またもうひとつ めざすとき」

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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