【東京新聞杯・きさらぎ賞】一年の戦い方が決まる価値のあるレース

2023年02月04日(土) 12:00

近年の傾向から見える牝馬の存在

 この一年の戦い方が決まるかもしれないこの時期の重賞は、しっかり見ておく価値がある。東京新聞杯ならこの先のマイルのGIであり、きさらぎ賞ならクラシックに名乗りを上げられるかどうかだから、楽しみは大きい。

 東京新聞杯は、1番人気がこの10年で1勝2着1回と苦戦しているが、唯一、4年前に勝ったインディチャンプ(牡4)は、その年安田記念とマイルCSをものにしていた。ここで信頼に応える意味が大きいことを物語っていた。

 また、年令別では4歳馬が10年で5勝2着5回と他を大きく引き離していることも、顕著なので注目しておきたい。そしてこの4歳馬の中でも、このところ牝馬の存在が目立つようになってきた。その4歳牝馬では、今から5年前にリスグラシューが勝ってから、ひとつの傾向が生まれつつある。

 リスグラシューは4歳牝馬としては25年ぶりに勝ったのだが、前年の桜花賞2着、オークス5着、秋華賞2着、そしてエリザベス女王杯8着と走っていた。その後、シャドウディーヴァとファインルージュが4歳牝馬で2着に入っており、どちらも前年のGI戦を3回は戦っていた。

 この5年で4歳牝馬は一年を除き4年で5頭が出て、1勝2着2回だから、連対の確立は高くなっている。

 今年は、4歳牝馬は3頭出ていて、この10年で一番多い。5歳以上の牝馬はいないので、この3頭を対象にしぼって考えていいから、その中で今年は、ナミュールを大きく扱いたい。クラシック三冠全てに出走していて、オークス3着、秋華賞2着が光っている。前走のエリザベス女王杯5着から今年の始動はマイルからということで、チューリップ賞を勝っているので東京のマイルは走りやすい筈だ。主力の一頭としたい。

 他では、やはり4歳馬を。京都金杯で初めてポジションを取りに行き、最後まで粘れたプレサージュリフト。東京のマイルで1分32秒台、上がり3ハロンで33秒を切って勝っている5歳馬ジャスティンカフェ。昨年のサマーマイルチャンピオンで6歳馬ウインカーネリアンの巻き返しを狙ってみたい。

 きさらぎ賞は、今年も中京の2000米というところにポイントがあり、スタンド前の2度の坂越えがあるため、非常にタフなコース形態となっている。このコースで戦った過去2年、上がり3ハロンが速いだけでなく、バテない強さがもとめられていた。

 3年目の今年も、このタイプを探してみたい。ディープインパクト最終世代のオープンファイアを。アイビーSはスローペースの中、最後まできっちり差をつめてきて3着だったが、エンジンのかかりが遅い分、2000米に距離が伸びるのは有利な筈だ。

 未勝利戦は追うことなく勝ち、続く一戦も楽々と抜け出して2連勝のフリームファクシ、ゆったり走らせてスタミナを生かすことのできるレミージュも牝馬ながら勢いを感じるので、この3頭を上位に取り上げてみた。

「とどまらず 王道路線 まっしぐら」

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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