2023年02月27日(月) 18:01
▲今回のテーマは「俺の戦略」(撮影:桂伸也)
今回は競馬に話題を戻し、岩田騎手のレース戦略に迫ります。“感覚派”というイメージ通り、やはり幾つものプランを用意するわけではなく、ゲートを出てから考え、実行するという岩田騎手。度々驚かされるイン突きも内から捌く自信があるからと豪語します。
しかし、前の馬がフラフラしたら…?と尋ねると「避けて通ればいいやん」と一蹴。そんな岩田節が次々に飛び出す「俺の戦略」に迫ります。
(取材・構成=不破由妃子)
──今回のテーマは『俺の戦略』です。以前から、関係者やメディアの間で「究極の理論派が福永祐一なら、究極の感覚派が岩田康誠」みたいな論調がありましたが、岩田さんはご自身が感覚派だという自覚はありますか?
岩田 あるよ。
──ということは、理詰めで戦略を練ったりはしないと。
岩田 戦略は、ゲートを出てから練って、考えて、実行する。レース前もある程度予想紙を見ながら考えたりするけど、ゲートを出た瞬間、ゼロになることもあるから。
──レース前は、どの程度の準備をするんですか?
岩田 準備といっても、相手関係は全部頭に入ってるから。枠順が出たら、まずはバーッと見て、「あ、この馬は前のレースでこういう競馬をしていたな」とか「ゲートのなかでああだった、こうだった」とか、全部頭に入ってる。頑張って覚えているというより、好きな仕事だから自然と頭に入ってる感じ。過去のレース映像も見るけど、絶対に見るわけやない。最近はね、『馬サブロー』をよう見てるわ。
──『馬サブロー』を見ながら、頭のなかに入っている情報を引っ張り出して、レースをイメージするわけですね。
岩田 そうや。枠順であったり、馬の並びであったり、馬の力であったり、馬場であったり、天気であったり…。そういうのを全部頭に入れて、じゃあ今回はこういう競馬をしようかなぁとか。だけどね、競馬はゲートを切ってみないとわからんねん。この間のロータス(2月18日・京都牝馬S・ロータスランド3着)だってそうやん。俺の頭の中では、2番手に行くはずやったんやで。それがゲートを出た瞬間、「おい!」って(苦笑)・・・
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岩田康誠
1974年3月12日、兵庫県生まれ。1991年に公営・園田競馬でデビュー。4度の兵庫リーディングに輝き、2004年にはデルタブルースで菊花賞を勝利、地方所属騎手として初の中央クラシック制覇を達成した。2006年にJRAに移籍。2012年にはディープブリランテと日本ダービーを制覇、ロードカナロアとは日本馬初となる香港スプリントを勝利している。歯に衣着せぬ物言いと直線での「イン突き」は常に多くのファンを魅了している。
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