【毎日王冠】未勝利戦から怒涛の4連勝 伸びしろ残すエルトンバローズ

2023年10月10日(火) 18:00

西村淳也騎手の手腕が光った会心の勝利

重賞レース回顧

毎日王冠を制したエルトンバローズ(撮影:下野雄規)

 ゴール寸前、横に4頭が並ぶ大接戦を制したのは、挑戦者らしく早めにスパートした3歳馬エルトンバローズ(父ディープブリランテ)だった。

 人気の中心ソングライン(父キズナ)と、シュネルマイスター(父キングマン)は最後に「さすがGI馬」の底力を見せたが、ともに4カ月ぶりの秋初戦。必ずしもここが必勝の一戦ではなかった。

 そろって前走比プラス10キロ。決して数字が示すような太め残りの体つきではないが、大目標のビッグレース前に余裕を感じさせる、少しばかり立派に映る仕上がりだった。そこに、前後半「47秒9-(11秒6)-45秒8」= 1分45秒3(前半1000m通過59秒5)という予想外に落ち着いた流れが加わっていた。

 エルトンバローズは4月の未勝利戦からなんと4連勝。ただ一度だけ凡走した左回りに課題があったが、直線で先頭のウインカーネリアンの外に出しただけで、スタートしてすぐ内ラチ沿いを確保して好位のイン。スローの流れに乗って古馬のGI馬2頭に「ハナ、ハナ」差のGII勝利。西村淳也騎手、会心の騎乗だった。

 レースの流れが味方したのは確かだが、まだキャリアの浅い3歳馬。「伸びしろしかない(西村騎手)」。これでコンビを組んで以降4戦4勝。ビッグレースに出走できる位置に立った。

 3代母はアンティックヴァリュー(父ノーザンダンサー)。祖母ニュースヴァリューは、名牝ベガの半姉。父はディープインパクトの送った7頭の日本ダービー馬の、初代勝ち馬。これからまだ大きくパワーアップできる可能性に満ちている。

 1番人気のソングラインは、・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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