【天皇賞(秋)】日本馬全体のレベルアップを裏付けたレース

2023年10月30日(月) 18:00

より強い馬との対決により引き出される本当の能力

重賞レース回顧

天皇賞(秋)をレコードで制したイクイノックス(撮影:下野雄規)

 単勝130円の圧倒的な支持を受けたイクイノックス(父キタサンブラック)が勝ったのは当然の帰結だが、昨年が1分57秒5だったので、今年は1分57秒台前半ではないかと考えた人びとが多かった。いや、1分56秒台も可能ではないかと予測したファンがいたかもしれないが、1分55秒2の驚異的なJRAレコードが飛び出すと考えた関係者はいなかったはずである。

 先導役を務めることになったジャックドール(父モーリス)の記録した前半1000m通過は「57秒7」。昨年のパンサラッサの逃げは「57秒4」であり、従来の天皇賞(秋)のレコードが刻まれたトーセンジョーダンの勝った2011年のレースの流れは、快速シルポートが飛ばし、前後半「56秒5−59秒6」=1分56秒1だった。

 ジャックドールの逃げたレース全体は「57秒7−57秒5」=1分55秒2。このペースを味方に3番手追走のイクイノックス自身の前後半バランスは、あくまで推定だが「58秒4-56秒8」=1分55秒2。誤差は少ないと思える。同馬にはちょうどいいペースのレースだったのである。

 そのイクイノックスを・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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