【ジャパンC回顧・前編】直線の進路取りまで踏まえたビュイックとの道中の駆け引き──が、4コーナーではお互いを意識している場合ではなくなった

2023年11月30日(木) 18:01

“VOICE”

▲W.ビュイック騎手との間で繰り広げられていた駆け引きとは?(撮影:下野雄規)

先週日曜日に行われたジャパンC。川田騎手が騎乗した三冠牝馬リバティアイランドは2番人気2着という結果でした。

GI・6連勝でジャパンCを勝利し、10戦8勝という成績での引退が発表されたイクイノックスの強さは、川田騎手の目にどう映ったのか──。ドラマチックなレースとなったジャパンCの回顧を、前編後編でお届けします。

前編では、2着争いを演じたW.ビュイック騎手(スターズオンアースに騎乗)とイクイノックスの後ろのポジションを巡って繰り広げられた道中での駆け引きを中心に振り返ります。

(取材・構成=不破由妃子)

「イクイノックスの前か後ろ、どうする?」中内田調教師との会話

──先週のジャパンCでは、これまでとはまた違ったリバティアイランドの走りを見ることができました。イクイノックスに必死で食らいついていこうとしているのが伝わってきて、感動的ですらありました。

川田 本当に全力で頑張ってくれました。ゴール前ではもう疲れ果てて、ふらつくほど走り切ってくれましたからね。

“VOICE”

▲リバティアイランドは勝ち馬イクイノックスから4馬身差2着でのゴール(撮影:下野雄規)

──そうでしたか。そのあたりも含め、今回はお聞きしたいことがいっぱいあります。まずは、枠順(1枠1番リバティアイランド、1枠2番イクイノックス)が決まったときの心境について。こんなことってあるんだと思いましたよ。

川田 スマホで競馬の記事を見ていたら、「イクイノックス1枠2番」という見出しが目に入って。「あ、枠順出たんだ」と思ってJRA-VANを開いて枠の並びを確認しようと思ったら、スクロールするまでもなくリバティの名前が出てきて、「もう出てきた、1番か」と。でも、マイナスなイメージはまったくなくて、むしろわかりやすい形になったなと思いましたね。

──内枠が有利といわれているコースにして、2強が1枠に入った。一騎討ちの舞台が整った感はありましたね。

川田 どうしても能力的にレベル差がある馬たちもたくさんいたので、たとえばイクイノックスと離れた枠に入ったとしたら、その馬たちがどう影響してくるのかを考える必要があった。でも、隣であれば、その必要はないですからね。これはわかりやすい競馬になるなと。ファンのみなさんにとっても、多くの方が望んでいる競馬ができるのではないかと思いました。

──実際、シミュレーションした通りの競馬になったのでは?

川田 パンサラッサとタイトルホルダーがいたので、あの隊列になるのが当たり前。普通にスタートを出れば、あの形にしかならないですよね。それを踏まえた上で、イクイノックスとリバティはどういう競馬をするのか。選択肢はふたつでした。

──実際にやった競馬がそのひとつだとすると…。

川田 あとは、イクイノックスの前で競馬をするか。選択肢はそのふたつしかないですから。

 レース前に調教師と「イクイノックスの前か後ろ、どうする?」という話をして・・・

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川田将雅

1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。

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