2001年10月25日(木) 00:00
菊花賞から秋の天皇賞へ。この贔屓の2つのレースから、この先の中央競馬、特に来年の古馬戦線を想定する時期を迎えました。 おそらく、この2レースに登場した馬達の中から、今後のターフを支えるものが出てくる筈です。 京都の3000mと東京の2000mとでは、あまりにもレースは違います。ですが、そこから何かはつかめると思います。
スローペースの金縛りにあった菊花賞でしたから、大波乱の陰に泣いた有力馬たちの能力を疑うわけにはいきません。 調教の段階で、いつもよりイレ込み気味だったジャングルポケットは、本番では、一番気がかりだった局面に立たされ、残念な結果でした。いつでも動ける立場にいながら、未知の距離と他陣営の動きが気になるあまりに遅れを取ったエアエミネム、また、やはり距離を意識するあまりに最後方から直線に勝負をかけたダンツフレーム、いずれも、思い切った能力全開の戦いではありませんでした。 ただ、マンハッタンカフェ一頭が、迷いを断ち切って早めのスパートを決めていたように見えました。 それもこれも、3000mという距離からきた結果であって、時折、菊花賞で見られるレースのアヤが為せることでした。
少なくとも、天皇賞組みの3頭、テイエムオペラオー、メイショウドトウ、ステイゴールドは年内でターフを去ります。有馬記念での最後の戦いがどうなるかの興味はふくらむ一方ですが、この先、これらの強豪達に替わって何が頭角をあらわすか、こちらの方もおろそかにできません。 年内のG1戦、スプリント部門もマイラー部門も含めて、とにかく、がらり新しい勢力分布がこれから出来上がってくるのです。 それを思えば、きっちりバトンタッチが為されるような、それぞれのG1戦であってほしいと切望するばかりです。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。