人馬一体を目指して! 大会出場に向けJRAD国内強化合宿に参加してきました

2025年04月01日(火) 12:00 6

 新規開業調教師が東西で初勝利を挙げ歓喜に沸きましたね! JRA初の女性調教師、前川恭子調教師は3月23日の阪神4Rをミトノオルフェ号で初勝利。また、3月30日の高松宮記念には音無厩舎から引き継いだモズメイメイでGI初出走を目指します。音無厩舎時代から担当されている厩務員さんも厩舎の一員に加わり、チームで頑張って欲しいです。このコラムが出る頃には結果が出ているでしょうから、レースが楽しみです。

 佐藤悠太調教師は、同日の阪神6Rをカナルビーグル号で好位から抜け出して7馬身差の快勝。こちらも音無厩舎からの引継ぎ馬で、「能力ある馬を引き継がせていただきオーナー様のご理解に感謝です。これから頑張ります」と師はコメントしていました。関東では柄崎将寿調教師が、中山3Rをメモリアカフェ号で勝利。素晴らしいレース展開を見せてくれて、今後の活躍が楽しみです。

 秋山真一郎調教師は、JRAレース4戦目となった22日の阪神4Rをバッケンレコード号で初勝利。武豊騎手騎乗で「大外から押し切ってマラソンレースを快勝しホッとしました」と安堵の表情を見せ、「豊さん好き!」とずっと憧れていた大先輩の騎乗に改めて凄さを感じていたそうです。そんな武豊騎手は「調教師の指示通りに乗り勝つことができました。初勝利をと思ったので僕もうれしかったです」とコメント。良く知り合った関係の良さですね。

 秋山師は、騎手時代僕も親しくしていたので興味深々です。騎乗スタイルがとってもきれいで、カッコよかったですね。彼は真面目なのでこれからどんな馬づくりをされるのか、とても楽しみです。落ち着いたら是非話を聞きたいですね。遅くなったけど厩舎開業おめでとうございます。今度お祝いに行くね。改めまして、新人調教師の皆様はじめ、陣営の皆様おめでとうございます。

日々是好日

▲嬉しい初勝利を挙げた秋山真一郎調教師(c)netkeiba

 中京競馬場では、芝1400m戦にリニューアルされた、春のGIレース前哨戦・愛知杯が行われました。レースはワイドラトゥール号が見事な追い込みで重賞初制覇。直線で外に出し、内の馬たちを一気に交わして差し切った北村友一騎手の手綱さばきが見事でした。ヴィクトリアマイルが楽しみです。陣営の皆様おめでとうございます。

 阪神競馬場では、阪神大賞典が行われました。3000mのマラソンレースを制したのは大胆な騎乗をする池添謙一騎手の見事な手腕が光りましたね。陣営の皆様おめでとうございます。天皇賞(春)がますます盛り上がりますね。桜満開の競馬場へ花見に出かけましょう。

 僕も頑張らねばと御殿場スポーツセンターで行われたJRAD国内強化合宿に参加し、篠宮寿々海氏による指導を受けてきました。繊細な部分まで、的確な指導をいただきました。麻痺のある左手が揺れるので馬の動きの邪魔にならないよう、できるだけ固定するようにとアドバイスをいただきました。そこでは講義も行われ、パラ馬術大会での決まりなども教えていただき、2泊3日の合宿が有意義なものになりました。2026年8月に世界選手権がドイツで行われるのでその大会に向けて挑戦が始まります。強化選手に選抜されたので、このチャンスを絶対に逃さないように、また怪我もしないように頑張ります。

日々是好日

▲選手権出場を目指して頑張ります

 3月29日には、千葉県八街市にあるコルザホースクラブで開催される、第1回関東交流馬術大会で招待選手としてデモンストレーションを行います。本大会は、「一人ひとり、一頭一頭が輝き飛躍する」を目標にホースセラピーと障がい者乗馬の普及、発展を目的として創設され、健常者・障がい者の垣根を越えて幅広い分野で活発な交流を深める場として開催。今回は約40名ほどが参加されるとのこと。来賓にはパラリンピックの東京、パリ大会に出場された稲葉将さんや調教師になられた森泰斗さんなど、そうそうたるメンバーが来られている中での騎乗となるのでかなり緊張です。普段の練習どおりに頑張りたいです。

 他にも、4月19日から20日は御殿場大会に参加し、25日からベルギー大会に行ってきます。世界選手権の出場権をとるための戦いがいよいよ始まります。ぼんやりのんびりしている間はなくなってきました。大谷選手ではないですが、高校3年生に進級でき高校生活とパラ馬術大会と二刀流で頑張ります。いつやるの…「今でしょ」です。ちょっと古いかな? 今年は年男なのでひと皮もふた皮も脱皮する覚悟です。

 そんな挑戦が迫る中、気合いばかりではと思い、TCCのボランティア活動で「メタセコイアと馬の森」の近隣にある牧場の芝植えの手伝いに参加しました。沢山の方が参加され、会話も弾みながら楽しく作業することができてよかったです。こんな場が多くなり、引退競走馬支援の輪が広がるといいなと思いました。今年は雪が多かったので大変だったそうですが、4月からはメタセコイアの横を馬車が走るそうです。厩舎見学もできるそうなのでみなさん是非出かけてみてください。

日々是好日

▲芝植えの手伝いも楽しくできました

 僕は現地に行くまで知らなかったのですが、湖西線マキノ駅で下車後、市バスが右回りと左回りがありとても便利でした。マキノピックランド停留所で下車してすぐに厩舎があります。周辺は自然環境を大切にしたお洒落な公園になっていました。マキノ駅の観光協会にお聞きしましたが、厩舎ができて街が活気に満ちてきたそうです。近くには海津大崎の桜並木もあり、春は最高でしょうね。滋賀県の観光名所がまた一つ増え、引退競走馬の支援の輪も広がってきそうです。

日々是好日

▲自然環境を大切にしたお洒落な雰囲気

 前述の千葉県コルザホースクラブでは、動物セラピー応援などが盛んに行われています。クラブの代表を務める塚本めぐみさんは、NPO法人ホースプラネット代表、日本障がい者乗馬協会セラピー本部の副本部長なども兼務。雑誌・UMALIFE(馬ライフ)で「輝け! みんなのホースセラピー」も連載中です。3月号は、オーストラリア・シドニーにいらっしゃるハイランド真理子さんの特集です。ハイランドさんはオーストラリアで競馬の学校を設立された方で、この学校を卒業した日本人の騎手もいます。僕も落馬事故に遭い彷徨っているときに大変お世話になり、以降親交を深めています。ご高齢になられて日本に帰ってこられるので、お会いできるのを楽しみにしています。

 動物たちと、出会い心も体も癒される事こそが人馬一体です。大会を目前に控え、人馬一体を目指して挑む覚悟を持ち、強い自分になれと気合を入れています。

おかんより
パラ馬術大会と高校3年生、ともに充実した生活ができるように縁の下の力持ちになりたいと思う。重そうだけどあともう少し頑張るわ。いろんなことを体験し、心も体も強くなり障がいなんて吹っ飛ばしてほしいと願う。息子よがんばれ! 勝ち取れ二刀流!

つねかつこと常石勝義&オカン

(文中敬称略、次回の更新は5/1(木)を予定しています)

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常石勝義

1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っている。

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