【日経賞予想】例年は凡走の8歳馬 今年は侮れないが…?

2024年03月22日(金) 18:00

成長途上の5歳馬に注目したい

 2500mの日経賞(別定)は、3200mの天皇賞(春)に向けた長距離戦。1着馬には天皇賞(春)の優先出走権が与えられる。ただ、今年はかなり特殊な組み合わせになった。

 頭数が少ないだけでなく、最近10年では断然の良績を誇る4歳馬(5勝、2着4回)の挑戦がない。逆にめったに好走しない8歳馬2頭が人気の中心になっている。グレード制が敷かれた1984年以降、8歳以上の連対馬は1998年に8歳の勝ち馬テンジンショウグン、2005年に8歳の勝ち馬ユキノサンロイヤル、2010年に9歳の2着馬エアシェイディがいるだけ。18年間も勝っていない。手ごろな頭数だと平穏な結果になるレースだが、今年は違うかもしれない。

 この組み合わせだけに、GII重賞【1-5-1-0】の8歳ボッケリーニ、同じく8歳馬で2500m【0-3-0-0】のマイネルウィルトス。この2頭を嫌う手はないが、まだこれから上昇して不思議はない5歳馬に注目したい。

 マテンロウレオ(父ハーツクライ)は初の2500mだが、似た距離の2400mには経験豊富な8歳馬2頭を上回る2分24秒0がある。接戦だった昨年の天皇賞(春)3200mには3分17秒0の5着もある。

 前走の京都記念2200mで9着にとどまったのは、前半からずっと行きたがってかかったため。この中間の調教は折り合い十分、気配の上昇もある。主軸に据えたい。この頭数だけに8歳馬2頭は侮れないが、最終追い切りは、いつもよりずっとスムーズだった。

 土曜日の中山は、まだ雨の影響は少ないはずなので、前走2400mを「2分23秒6」で差し切った上がり馬の5歳シュトルーヴェも買いたい。

 阪神の「毎日杯」には、先週の17日のスプリングSを左前肢のフレグモーネで直前に回避したメイショウタバル(父ゴールドシップ)が20日に追って、出走してきた。2月に「つばき賞」を勝ったときは、若駒Sを右前肢跛行で競走除外になったあと4週後だった。素質は十分なので、パドックの気配が良かったら買いたい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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