「日本ダービー・Ｇ１」(２９日、東京)

　機は熟した。今年でデビュー３０年目を迎えるベテラン・蛯名が、皐月賞馬ディーマジェスティで“ダービージョッキー”の称号を獲りに行く。

　皐月賞は８番人気と伏兵扱いにすぎなかっただけに「まだ今回も受けて立つ立場とは言えない」と慎重な姿勢を崩さない。それでも２６日に決まった１枠１番について触れた時は「いい枠を引けたよ」と本音を漏らした。取材中にも他厩舎の調教師や厩務員から「ダービー頑張れよ！」の声が掛かる。そのエールに「ここでもいい競馬をしたいね」と自然体の笑顔で応えていた。悲願達成が懸かる２４度目のダービー挑戦にも、本人に気負いはなさそうだ。

　ディーマジェスティは２７日朝、美浦の角馬場から北Ｂを入念にキャンター調整。元気が有り余る様子に「水曜に結構やっているので、少しテンションが高かった」と佐々木助手は苦笑い。それでも「土曜にウッドで乗れば、ガスが抜けてちょうど良くなるでしょう」と力強くうなずいた。決戦に向けて人馬のムードは高まっている。