【宝塚記念】キタサンブラック“中距離仕様”に

デイリースポーツ

2016年06月23日(木) 06:59

 余裕たっぷりに併入したキタサンブラック(手前)=撮影・石湯恒介

宝塚記念・G1」(26日、阪神)

 G1・3勝目に向けて、ともに好調をアピールした。春の天皇賞馬で、ファン投票1位に選出されたキタサンブラックは22日、栗東CWで馬なり併入。ビッシリと追った近2週とは一転し、軽めの内容でフィニッシュした。連覇を狙うラブリーデイも同CWで併せ馬。ラスト1F11秒7とシャープな伸びで先着を決めた。なお、きょう23日に出走馬と枠順が決定。馬券は25日に前日発売される。

 絶妙なさじ加減で万全の態勢を整えた。天皇賞・春でG1・2勝目を挙げたキタサンブラックの最終デモは、栗東CWでクールヤシャマル(3歳未勝利)との併せ馬。ハードな調教を消化してきた先週までとは異なり、終始、ゆったりと運ぶ。直線も僚馬の内へ。手綱は最後まで持ったままだったが、軽快に四肢を回転させ、6F81秒5-38秒8-12秒0で併入した。

 付きっきりで追い切りにまたがってきた黒岩(レースは武豊)は「当該週はいつもやらないし、サラッと調整。無事に何もなく、順調に仕上がった。古馬になって落ち着きも出た。骨格に見合った体になってきている」と心身の充実ぶりに目を細める。清水久師は「指示通り。併せ馬で内に入れたのも、もうそんなにやる必要がないと判断したから。動きも良かったし、時計も出ていますから」と満足げにうなずいた。

 中間は攻めの姿勢で鍛え上げてきた。軽めだった当週を含め、CWで計7本の追い切りを消化。過去一番とも言える密度の濃い調整を施し、師は「中途半端で使いたくなかったですから。かわいそうなくらい追い切りを重ねてきているが、カイバも食べています。それだけ力をつけているから、加減せず、目いっぱいに仕上げられました」と胸を張った。

 既に肉体も“中距離仕様”に変化している。「体の張りもいいし、毛ヅヤもいい。今回は馬が2200メートルと分かっているように、体にも余裕がある。前回はマラソン選手のような“体脂肪ゼロ”の体だったので」と説明する。「どの距離がベストというより、ベストの範囲が広い馬。内回りはいいでしょうし、どこの競馬場でも初めてでもこなしてくれる。何の心配もしていません」と言い切った。

 歌手の北島三郎オーナーに、トレーナーは「いつも通り、良かったです。安心していただけたら」と報告するという。レースには、これまでと同様、昨年のダービー以降、陣営でそろえた黒地に茶色の3本線が入ったネクタイで臨む。大一番を前に人馬とも最善の準備は整えた。ファン投票1位に支持された誇りを胸に、上半期最後の“まつり”に挑む。

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